私の世界を変えてくれた君へ。
最終章

全ての真実

中二の夏、友達に裏切られたことを境に場面緘黙症になってしまった日から今日までの出来事がまるで早送りのドラマを見ているかのように時系列で鮮明に蘇る。

まるで幽霊にでもなったかのように第三者の目でわたしはわたしを見つめていた。

高校に入学し、高2になり、クラス替えをしたあの日。

自己紹介をすることができずに泣きそうになりながら席についたわたしは背中を丸めていた。

けれど、不思議だ。前の席にいる藤原くんはわたしに一切声をかけてこない。

楽しそうに友達と話す藤原くん。

わたしはただ黙って一人自分の席に座り、今にも泣きだしそうな顔をしている。

消えてしまいたいと願っていた。

泡のように消えてなくなってしまいたい。

空気のように毎日をやり過ごし、透明人間のように生きていた。

斜め45度に視線を落としたわたしは教室の中でいつもひとりぼっちだった。

誰かに文句を言われたり悪口を言われているわけでもなければ、イジメられているわけでもない。

ただ、わたしは孤独だった。

誰の目にも映らない自分が惨めで情けなくて大っ嫌いだった。

……藤原くんに出会う前の自分はなんて卑屈だったんだろう。

客観的に見ることでそう思い知らされる。

けれど、不思議だ。

わたしが今見ているものは一体何なんだろう。

わたしが体験したことのないような苦しみや悲しみがわたしの目には映し出されている。

藤原くんとも同じクラスなのに一切関わり合いがない。

これは一体、どういうこと……?

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