屋上が常に解放されているその場所の前に立った藤原くんはあたりを見渡し、何かの場所を確認しているように見えた。
歩道のちょうど真ん中あたりに立ち、スマホを取り出して何かを確認した藤原くんは目を閉じてそっと空を仰いだ。
藤原くんのその様子に通りすがりの通行人たちはみな不思議そうに藤原くんを見つめている。
そんな視線にもまったく動じずに藤原くんはその場所から1ミリたりとも動こうとしない。
あそこで誰かと約束しているのかな。
わざわざ歩道の真ん中に立つ意味が分からない。
何かの目的や理由があってあそこにいるとしか思えない。
わたしの足は自然と藤原くんの方へ向かっていた。
一歩一歩近づく距離。藤原くんはわたしに気付かない。
さらに近付いていく距離。すると、何故か再びひどい頭痛に襲われた。
あまりの痛みに思わず立ち止まり左手で痛むこめかみの辺りを抑えた。
周りの喧騒が遠のいていき、目の前の景色に白いモヤがかかる。
更に痛みは激しくなっていく。それでも足は藤原くんの元へ向かう。
藤原くんとの距離はもう5メートルもない。
「大丈夫ですか?」
通りすがりのOLさんにそう尋ねられて何とかうなづく。
何故か脂汗が浮かんで、喉がカラカラに乾いている。
体がずっしりと重たい。突如訪れたインフルエンザの時のような全身の倦怠感に足がもつれる。
お酒を飲んでいるわけではないのに、わたしは酔っぱらったおじさんのように千鳥足になってしまう。
歩道のちょうど真ん中あたりに立ち、スマホを取り出して何かを確認した藤原くんは目を閉じてそっと空を仰いだ。
藤原くんのその様子に通りすがりの通行人たちはみな不思議そうに藤原くんを見つめている。
そんな視線にもまったく動じずに藤原くんはその場所から1ミリたりとも動こうとしない。
あそこで誰かと約束しているのかな。
わざわざ歩道の真ん中に立つ意味が分からない。
何かの目的や理由があってあそこにいるとしか思えない。
わたしの足は自然と藤原くんの方へ向かっていた。
一歩一歩近づく距離。藤原くんはわたしに気付かない。
さらに近付いていく距離。すると、何故か再びひどい頭痛に襲われた。
あまりの痛みに思わず立ち止まり左手で痛むこめかみの辺りを抑えた。
周りの喧騒が遠のいていき、目の前の景色に白いモヤがかかる。
更に痛みは激しくなっていく。それでも足は藤原くんの元へ向かう。
藤原くんとの距離はもう5メートルもない。
「大丈夫ですか?」
通りすがりのOLさんにそう尋ねられて何とかうなづく。
何故か脂汗が浮かんで、喉がカラカラに乾いている。
体がずっしりと重たい。突如訪れたインフルエンザの時のような全身の倦怠感に足がもつれる。
お酒を飲んでいるわけではないのに、わたしは酔っぱらったおじさんのように千鳥足になってしまう。