「ただのクラスメイトでいれば……そうすればこんな風に泣かせることもなかったのにな。巻き込んで……ごめん」

藤原くんがわたしを急に遠ざけようとしたのは、わたしを傷付けないようにするためだったんだ。

それに気付いて胸が痛くなる。

【謝らないで。藤原くんが悪いんじゃないよ】

【それに】

【藤原くんに出会えない人生なんてもう考えられない】

あと、2日間。藤原くんに残された時間。

でも、本当にそうと決まったわけではない。

今からでも奇跡が起こせるかもしれない。

1度目の奇跡は藤原くんとこうやって出会えたこと。

2度目の奇跡は藤原くんの未来がこれからも続いていくこと。

奇跡が2度起きたって不思議ではない。

それに、なによりもわたしは諦めたくなかった。

生きることを諦めてほしくなかった。

藤原くんがわたしに手を差し伸べてくれたように、今度はわたしが彼に手を差し伸べたい。

【わたしは諦めたくない】

【藤原くんと】

【これからもこうやって過ごしたい】

「結衣……」

【藤原くんと生きたい】

この気持ちが伝わりますように。

藤原くんがわたしの前から消えてしまうなんて考えたくもない。

そんな未来、想像なんてしたくない。

「いなくなる方も残される方もどちらもきついと思う。だけど、俺は一度残される側を体験してるから。俺は結衣にその思いをさせたくないって思った」

藤原くんが何を言いたのか手に取るようにわかる。

わたしはブンブンっと首を横に振った。