嘘をついているとは思えない。その真剣なまなざしがそれが真実であることを物語っている。

【夢 見たの?】

手が震える。自分で書いた文字が滲んで見える。

「結衣と遊んだ日の次の日も同じ夢を見た。両親と兄貴が亡くなった事故の前と全く同じだった」

【でも正夢にならないかもしれないよ】

「そうだといいんだけどな」

【前の事故のときも少し未来は変わったんだよね?】

わずかな希望に縋りつきたくなる。

メモ帳にわたしの涙の跡が付く。

【また未来を変えられるかもしれない】

「そうだな。ありがとう、結衣」

唇が震える。

涙が止まらない。

そんなの信じられない。信じたくない。

泣きたいのはきっと藤原くんだ。わたしじゃない。

でも、涙が溢れて止まらない。

どうして?どうして藤原くんなの……?

「ごめんな」

藤原くんの声がかすれる。