「おはよう!ほらっ、もうHR始まるぞ~!早く席につけ!」
無情にも担任の稲富先生が教室に入ってきた。
蜘蛛の子を散らすようにクラスメイト達が一斉に自分の席に戻っていく。
わたしの前の席に藤原くんの姿はない。
「あれっ、今日奏多来てなくない?先生、奏多サボりー?」
藤原くんと仲の良い男の子が不思議そうに声を上げる。
その声にクラスメイトの視線が藤原くんの席に注がれる。
「あぁ、確かにいないな。藤原が欠席なんて珍しい。あとでこっちから連絡してみるから心配するな」
「はーい」
藤原くん、どうしたんだろう。
HR中、机の下にスマホを隠して藤原くんとのメッセージのやり取りを確認する。
やっぱり返信はない。
【おはよう。今日、お休み?具合でも悪い?】
しつこいとは思いながらもメッセージを送る。
でも、放課後になっても返信はなかった。それどころか既読にすらならない。
藤原くん……どうしちゃったんだろう。
心の中のモヤモヤが晴れない。
今日一日、藤原くんのことばかり考えてなにも手につかなかった。
帰りのHRが終わるとわたしは弾かれたように立ち上がり、誰よりも早く教室を出ると焦る気持ちを抑えて昇降口に向かった。
行く場所は決まっていた。
緑ヶ丘公園。
藤原くんがいるという確証は何もない。
でも、行かずにはいられない。
そこにいけば桜の木の下で寝転んでいる藤原くんに会える気がしたから。
学校を出て北側へ足を向ける。
無情にも担任の稲富先生が教室に入ってきた。
蜘蛛の子を散らすようにクラスメイト達が一斉に自分の席に戻っていく。
わたしの前の席に藤原くんの姿はない。
「あれっ、今日奏多来てなくない?先生、奏多サボりー?」
藤原くんと仲の良い男の子が不思議そうに声を上げる。
その声にクラスメイトの視線が藤原くんの席に注がれる。
「あぁ、確かにいないな。藤原が欠席なんて珍しい。あとでこっちから連絡してみるから心配するな」
「はーい」
藤原くん、どうしたんだろう。
HR中、机の下にスマホを隠して藤原くんとのメッセージのやり取りを確認する。
やっぱり返信はない。
【おはよう。今日、お休み?具合でも悪い?】
しつこいとは思いながらもメッセージを送る。
でも、放課後になっても返信はなかった。それどころか既読にすらならない。
藤原くん……どうしちゃったんだろう。
心の中のモヤモヤが晴れない。
今日一日、藤原くんのことばかり考えてなにも手につかなかった。
帰りのHRが終わるとわたしは弾かれたように立ち上がり、誰よりも早く教室を出ると焦る気持ちを抑えて昇降口に向かった。
行く場所は決まっていた。
緑ヶ丘公園。
藤原くんがいるという確証は何もない。
でも、行かずにはいられない。
そこにいけば桜の木の下で寝転んでいる藤原くんに会える気がしたから。
学校を出て北側へ足を向ける。