「みんな、少し静かにしてくれ。まだ自己紹介が終わってないぞ~?」
先生の言葉に再びみんなの意識がわたしに向く。
小さく息を吸い込む。小松結衣です。名前だけ。名前だけでも言いたい。
頭では思っていても、何の言葉も出てこない。
前の席の藤原くんが振り返りわたしの顔を覗き込む。
藤原くんと目を合わさないように顔をわずかに窓際に向けて目をつぶる。
背筋を冷や汗が伝う。
全身が冷え切っているのに、顔中は火照り、きっと耳まで真っ赤だろう。
羞恥心が体中を包み込み、窒息しそうなほど苦しい。
しばらくすると、先生があごを指でさすりながらこう言った。
「よし、ありがとう。よく頑張ったな、小松!もう座っていいぞ?」
自己紹介もできずただ立ち尽くすわたしを先生はねぎらってくれた。
先生の言葉にうなずくことすらできなかった。
黙ってそそくさと腰を下ろしたわたしは再びスカートを握り締めた。
穴があったら入りたい。もぐって二度と出てきたくない。
手にはじっとりと大粒の汗をかいていた。
先生の言葉に再びみんなの意識がわたしに向く。
小さく息を吸い込む。小松結衣です。名前だけ。名前だけでも言いたい。
頭では思っていても、何の言葉も出てこない。
前の席の藤原くんが振り返りわたしの顔を覗き込む。
藤原くんと目を合わさないように顔をわずかに窓際に向けて目をつぶる。
背筋を冷や汗が伝う。
全身が冷え切っているのに、顔中は火照り、きっと耳まで真っ赤だろう。
羞恥心が体中を包み込み、窒息しそうなほど苦しい。
しばらくすると、先生があごを指でさすりながらこう言った。
「よし、ありがとう。よく頑張ったな、小松!もう座っていいぞ?」
自己紹介もできずただ立ち尽くすわたしを先生はねぎらってくれた。
先生の言葉にうなずくことすらできなかった。
黙ってそそくさと腰を下ろしたわたしは再びスカートを握り締めた。
穴があったら入りたい。もぐって二度と出てきたくない。
手にはじっとりと大粒の汗をかいていた。