楽しい時間はあっという間に過ぎていく。

駅の近くにあるゲームセンターから出ると、外はもう薄暗くなっていた。

「家まで送る」という藤原くんの言葉にうなずく。

本当はまだもう少しだけ一緒にいたかった。

でも、そんなことを言ったらきっと迷惑になる。

こんなに誰かと別れるのが寂しいなんて思ったことなかったな。

家の近くの公園までやってきたとき藤原くんが立ち止まった。

「あと少しだけ一緒にいたい」

わたしの気持ちが伝わったかのような藤原くんの言葉にわたしは弾かれたようにうなずいていた。