分かってるでしょ。藤原くんはモテる。みんなの人気者。


そもそもわたしだけのものじゃない。

今までだって同じ図書委員で一緒に図書館だよりを作る目的の為に一緒にいただけ。

藤原くんはわたしを特別だなんて思ってない。

わたしの特別であっても、わたしは藤原くんの特別なんかじゃない。

わたしの……特別?

自分の心の中で呟いた言葉。わたしの、特別。

こんなに胸が張り裂けそうなぐらい痛いのはわたしが藤原くんのことを特別だと思っている証拠。

こんな気持ち初めてだ。それもそのはず。わたしは今まで誰かを好きになったことがないんだから。

わたしは……好きだ。藤原くんのことが好きなんだ。

胸の痛みがイヤでもそれをわたしに伝えようとする。

涙を拭いて顔をあげる。

藤原くんに出会う前なら学校で泣くなんて絶対にありえないことだった。

きっと出会わなければこんな気持ちになることだってなかったんだろう。

こんな気持ちを知らなかっただろう。

それなのに、変だね。出会わなければって思えない。

やっぱりどうしたってわたしにとって藤原くんの存在は大切だから。