時折、心配そうに図書委員長の川崎さんが教室へ見に来てくれたこともあった。

「二人で協力しあってるし、私の出る幕はないね。面白そうな図書館だよりができるのを楽しみにしてる」

そう言ってくれた。

ここ最近は頭の中は常に図書館だよりのことばかりだったような気がする。

それも今日で終わりなのかと思うと、ちょっと寂しい気持ちになる。

「あっ、あのっ……!」

職員室を出ると、どこからともなく現れた二人の女子生徒が私たちのもとへ駆け寄ってきた。

「藤原先輩……!ちょっと、この子に時間もらえませんか……?」

この子と呼ばれていた女の子が緊張から表情を固くして頬を赤らめる。

あ。これ、わたしがいないほうがいい雰囲気だ。

トントンッと藤原くんの腕を叩いて下駄箱の方を指さす。

わたし、先に帰るね。

そして、一歩歩き出した時藤原くんがわたしの腕をガシッと掴んだ。

驚いて振り返ると、

「図書室で待ってて」

藤原くんはそれだけ言うと、わたしの腕から手を離した。

「こっち……いいですか?」

1年生の子達に言われるがまま歩き出す藤原くん。