「吾郎、てめぇなにコロをダシに使ってんだよ!」
源さんと吾郎さんがリードを引っ張り合う。
せっかく粋に浴衣を着こなしているというのに、そこに亀さんが参戦し、楽さんが大志くんと呆れている。
いやいや楽さん、参加したいくせに。
「私、なんか疲れちゃった。甘いものが食べたいわぁ」
牧子さんが大きな声で言うと、賛同する乙女?たち。
「あたしも、あんこごとごっそりいきたい」
由梨さん、もう太らないほうが__?
「私も、たい焼き屋さんの心のこもったたい焼きが、食・べ・た・い」
いや、マリさんが言うと別の意味に聞こえます。
「私は、あんナシが食べたい」
陽子さん、あれ意外と面倒なんですよ?
「私も2枚、欲しいです」
美代ちゃん、今度は誰と食べるの?
「分かりましたよ。焼けばいいんでしょ、焼けば」
半分、投げやりに言うと『俺も俺もと』と手が挙がる。
こりゃまた大仕事だな。
薄っすら笑いながら、僕は遠くに流れていった笹を見送る。
ゆっくり、ゆっくり流れていく。
僕の願いも乗せて、流れていく。
僕は短冊に、こう認(したた)めたんだ。