「とっとと書けよ、なんでもいいだろうが」

せっかちな源さんは、痺れを切らしている。


「なんでもよくないだろ。願い事なんだから」と亀さん。

そういえば亀さんは、尾っぽからたい焼きを食べる。


慎重派で、ロマンチスト。


やっぱりたい焼きの性格判断は当たってないか?

「俺はよ、もう願い事を叶えたからな」


だから思いつかないんだと、大志くんに頬ずりをする楽さん。

この2人がストッパーだ。


「亀さんらコロのこと書けばどうですか?」

「コロのこと?」

「そうですよ。願いが叶いますよ?」

僕が提案すると、残りの3人から一斉にブーイングが起こる。


誰がコロを飼うかで、まだ揉めているんだ。

今は吾郎さんの番で、店の外で吾郎さんといちゃこらしている。亀さんが短冊に願いを書いて抜け駆けをしようものなら大変なことに__。


ほら、吾郎さんが渡さないぞ!と言わんばかりに抱きついているじゃないか。



「もう書いた!書いた書いた書いた!」

亀さんが強引に突き出す短冊。


【コロが幸せになりますように】


一瞬、みんなが黙る。

なにかが聞こえてくると思ったら、店の外から吾郎さんが手を叩いて笑っていた。



独り占めするんじゃなく、あくまでコロを第1に考える亀さんは、まさに亀さんらしい。


どうか願い事が叶いますように。