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「おい、出来たのか⁉︎期限、今日までだぞ?」

怖い顔で入ってきた源さんに、亀さんと楽さんがげんなりした顔をする。


「俺はできたぞ」と唯一、涼しい顔をしているのは吾郎さんだ。

余裕綽々で短冊を掲げた。


【タペオカ煎餅がヒットしますように】



そう、まだ七夕に向けての短冊を作っているんだ。

ひとの店の中で。


「なにふて腐れてんだ、たい焼き屋。商売になんねーってか?」

なかなか目ざとい源さん。


夏休み最終日、やり残した宿題に追われるように机にかじりつかれても、そこはたい焼きを食べる机であって、確かにたい焼きを食べてはいるけれど、もう何時間もこうやってひとの店で__。


「どうせ誰も来ねーじゃねーか?そうでちゅよねー?」

大志くんもいい加減、飽き飽きしているだろう。


「閑古鳥とはこのことだな」

筆ペンを走らせながら亀さんが言うと「コラボでもするか?」と吾郎さんがふざけたことを言い始める。



「たい焼き屋はなんて書いたんだ?商売繁盛か?」

「僕はもう出しましたよ。ちなみに商売繁盛じゃありませんから」


源さんに言い返し、たい焼きを焼き始める。


こうなりゃやけだ。

30枚くらい焼いて、場所代として売りつけてやる!