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たくさんのひとが、肩を寄せ合っていた。

あるものは肩を抱き合い、あるものは肩を震わせて泣いていた。悲しい泣き声なのに、でもどこか和やかな風が吹いている。


ここは、病院だ。

あれからまた20年。


床に伏せているのはきっと、私だろう。私はこんなにも長生きをするのか?こんなにも大勢に見送られる中、息を引き取るのか?



「ばあちゃん!」と、驚くほど背の高い青年が枕元に屈んでいた。

あれは__俊也か。


あんなにも大きくなって、一体なにを食べたのか?



「ばぁーば‼︎」と見知らぬ女性が抱っこしている幼い女の子が、手を振った。

もしかしたら、ひ孫?


そういえば、稔の姿が見当たらない。私より先に旅立ったのかもしれない。



旦那が先に亡くなると、女房は逞しくなるというけれど、私はどうだったのだろう?



「母さん」


そう呼びかけるのは、俊介か?あまりに太って見る影もない。隣にはあかりさんが付き添っているけれど、可愛らしく年を重ねているじゃないか。

しまいに捨てられやしないのか?


なんて、しなくていい心配をしていると__。



「ご愁傷様です」

医師が告げた瞬間、耐え忍んでいた空気が爆発した。