『 梅雨も明けて少し経ちました。

本日は晴天となるでしょう 。


また午前3時ごろには

水瓶座流星群を見られるかもしれません 』








朝の情報番組のお天気コーナーはいつも通りだった。

お天気お姉さんが言っていた通り

今日はいつもよりも晴れていた気がしたし星がすごく綺麗にみえる。




それでも梅雨が開けたばかりの夜はまだ少し肌寒さを感じさせた。




「花火をするのには少し寒かったかもね」




流星群を見たら、何となくあなたに会えそうな気がした。

だから、毎年来ていた海岸に今年も遥斗に連れてきてもらった。





「あー、もう落としちゃったの?

線香花火はね、

こうやって動かずに見守るんだよ」






俺はじっと出来ないんだと言わんばかりの顔に少しだけ笑顔が零れた。



何年経っても、私達はこうやってバカやって笑ってられる。


だけも、手元で激しく光っていた線香花火はもう小さくなってしまって



「なんか、寂しくなっちゃった」




気づけば線香花火の光はもう落ちていて、新しくつけようにも1本しか残っていなかった。




「あんなにあった花火もこれで終わりだね」




それでも去年より長く感じるのは二人しかいないからだろうか。

また三人でここに来ようと約束したのに、その約束は果たせるはずもなかった。







お前はは今、幸せか?






そう呟いて空を見上げ遥斗の瞳からは

流星のような涙が一筋流れて消えた。






「泣いたら、優太に怒られちゃうじゃん」







だから、私は泣かない。