「これまではひとりだったからできなかった。今度は僕もクロさんもいる。三人ならなんとかなるよ」

「なんで俺まで仲間に入れられなくちゃならんのだ」

不愛想なクロに、
「クロさんも僕の友達ですから」
と当然のように輪は言った。

なぜだろう、その言葉を信じていいような気がした。
抵抗をやめた私の頭にクロの大きな手が今度こそ置かれる。
クロの手を通じて私の体が光り出した。
白黒の世界でも青色に見える不思議な光は、蛍のようにはかない。

「じっとしてろよ。危ないから輪は下がってろ」

やがて私を包みこむ青は輝きを強めていき、視界がその色に覆われた。

「これからお前に猶予を与える。俺の力では九日が限度だから、その間になんとかしろ」

青色のすき間から見える輪が力強くうなずいている。

輪を信じて……本当にいいの?  
私は、未練を解消できるの?

クロの体がひときわ強く光り、それは私の体に一気に流れこんできた。