死刑判決のように響く声にまた黒い糸が体に絡みつく。

「そんなのわかってるよ。だから私は――」

「もしも」

大きな声でさえぎったクロが私を見た。

「光莉が本当に望むのならば、力を貸そう」

「本当ですか⁉」

パッと顔を輝かせた輪に私は渋々口を閉じた。
どうして私の意見は置いてけぼりなのだろう。
それでも、真っ暗な道に光が差しこむような感覚を否定はできなかった。
思い出すのは怖い。

それでもこんな場所で地縛霊になるくらいなら……。

表情に表れていたのか、
「浮かれるのは早い」
と、クロが人差し指を私に向けてきた。

「お前はもう半分地縛霊になった存在だ。俺が呪いを解いても一ときのこと、すぐにその心は蝕 むしばまれるだろう。『未練解消をしたい』という強い気持ちを持たないと、お前みたいな弱虫、すぐにまた感情に飲みこまれちまうぞ」

目の前で言われる悪口にムッとする。
やっぱり嫌な気持ちにさせてくるし。