4種類のカレーと、大きなナンがテーブルを埋める。

「…ナン、めちゃくちゃ大きくないですか?」

お皿からはみ出す特大のナンを見て、私は言う。
これがお代わり自由とか、お代わりにたどり着けるかさえ怪しい。

「お得感満載だなぁ。」

嬉しそうに笑う胡桃さんを見て、つられて私も笑った。

胡桃さんの笑顔は簡単に私の心を溶かす。
優しいというかあったかいというか、幸せな気持ちになるのだ。
だから一緒に食事をするのが、とても楽しい。
より一層、美味しく感じられる。

学生の頃から一人暮らしで圧倒的に一人で食事することが多い私にとって、この胡桃さんとの食事は家族を思い出させる、いろんな意味で胸がぎゅっとなるものだった。

誰かと楽しく食事をすること。
とても大切で素敵な時間。

じゃあ、胡桃さんの家族は…?
奥さんは…?
今この時間、一人で食事をしているのだろうか。