その可愛らしい女性と和気あいあいと喋りながら歩いている。

ピンクのエコバッグからはネギの緑の部分が覗いていて、スーパーで買い物してきたのかなと想像する。

「本当に、洋くんったら過保護なんだから。」

「あずささん程ではないけどね。」

ちょっと待って!
何か今、聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。
話の内容は全然わからないけど、かなり親しい様子だ。

心臓がドキドキと脈打つ。
気になってこっそり近付いてみたけど、これ以上は無理だ。
私の存在がバレてしまう。

ていうか、何でこそこそしなきゃいけないの。
別に私は何もやましいことはないのに。

私の心の中は大暴れだ。

誰だろう?
あの女性、“あずささん”って名前なんだ。
胡桃さんのこと、“洋くん”って呼んでた。

こ、これはもしや、恋人?!