待ち合わせ場所は駅前だ。

結局靴まで何を履いていくか迷って、気に入ってるのになかなか履く機会のない少しヒールのある靴を選んだ。
普段はあまりヒールのある靴は履かない。
余計背が高くなってしまうから。
だけど、背の高い胡桃さんとなら、ヒールのある靴を履いても身長を抜かさないだろうと思って、思い切って履いてみた。

ドキドキしながら待つ。
改札から出てくる胡桃さんを、すぐに見つけた。
人混みに紛れていても頭ひとつ飛び出ている。
わかりやすくて思わず笑みがこぼれた。

「お待たせしました。」

「いえいえ、私も今来たところです。」

そんなテンプレートなやりとりなのに、すでに私の心は弾んでいる。

私服の胡桃さんは新鮮だ。
スーツ姿しか知らないから、新しい一面を見ることができて嬉しいというかなんというか。

とにかく、かっこいいのだ。