今日もいつも通り出勤。
満員電車に揺られながらぼんやり外を見る。

余裕で届く吊革に可愛げなく掴まって、眠いなぁなんてどうでもいいことを思ったり。
電車がガタンと揺れて、隣に立っている女性が私にぶつかった。

「すみませんっ。」

ペコリとお辞儀をして見上げてくる彼女は、吊革に掴まっていても揺れには弱いらしい。
私を見る目線が上目遣いなのは、彼女の背が低いことと私の背が高いことの相乗効果か。

「いえ、大丈夫です。」

そんな当たり障りのない返事をして、電車は駅へ到着する。

よくある日常。

何の代わり映えのない一日が、今日も始まるのだ。