ラシェルは、オレの作り出した亜空間に移動して、オレの作り出した拷問世界を体験することになった。ラシェルは戸惑っているが、オレの作り出した拷問世界からは逃げる事ができない。オレが十分と思うまで強制的に体感させられてしまうのだ。
「うぐ、何よ……。ここは……」
ラシェルが辿り着いたのは、オレが元々いた世界の職場だった。工場内という人が機械のように働かされる職場での労働を彼女に体感してもらうことにした。1週間ほど仕事をしては寝るという、恐るべき拷問のスケジュールが続いていた。
「はあ、はあ、はあ、なんて事なの……。怖いおじさんに脅されて、毎日同じ労働を繰り返されているわ。一日12時間以上の仕事をして疲れて帰って、夜ようやく眠れると思ったら、すぐに朝になって仕事を強制させられるなんて……。
このままでは、精神が崩壊してしまうわ。なんとかスペルを使って脱出しようにも、魔法が一切発動しないし……。今まで居た世界とは、別の世界という事? こんな魔法が使えるなんて……。智樹を舐めていたようね……」
彼女は度重なる労働によって疲れていた。オレは、更なる追い討ちをかけることにする。彼女の柔い心を打ち砕き、オレの忠実な女の子に変えてしまうのだ。そうすれば、彼女はもはやオレとリゼットの命を狙うことはない。
「許せ、ラシェル。勝負とは、時には非情なものなのだ……」
ラシェルは、1週間の労働を終えて帰ってくる。そこには王女としての威厳はなくなり、OLのようなだらし無い生活へと変わり果てていた。一日中働いたことによって、家での生活まで手が回らないのである。
「ふー、ようやくこの地獄のような日々も区切りが付いたようね。まずは、美味しいドリンク(ドデカミン)でも飲んで疲れを癒しますか。もう、下着姿で過ごしちゃう。部屋の片付けなんてやってらんないわ……」
ビールこそ飲んでいないが、そこには12歳の王女の気品はない。小ちゃいOLとかした可愛い女の子がベッドに寝そべりながらジュースを飲んでいた。テレビのリモコンを片手に、ニュース番組や恋愛ドラマをハシゴして見ている。
「ふう、どっかに良い男いないかな……」
ラシェルがテレビを見てそう呟いていると、突然の臨時ニュースが飛び込んで来る。なんと、労働基準が改正されて、残業は禁止になるという素晴らしい内容のニュースだ。ラシェルの顔が少女の笑顔に戻る。
「わー、8時間労働で、残業なしになるんだ! これで、少しは仕事が楽になるかもしんない!」
こうして、喜びながら休日を過ごして、あっという間に出勤の時間になっていた。休んだ時間は、寝ていることと買い物くらいで飛ぶように過ぎてしまう。それでも、残業がなくなるなら自分の使える時間は増える事になるのだ。
「ふう、もうすぐ仕事が終わる! よーし、定時で帰るぞ♡」
こうして定時の夕方5時近くになると、上司が近付いてくる。おそらく早く帰るようにという警告だろう。こうして心配してくれるところを見ると、少しは愛着が湧いてくる。ただのハゲ上司ではなく、優しい上司なのだと思い始めていた。
「ラシェル君、ちょっと良いかね?」
「あっ、はい! 定時で帰るって言う警告ですね。分かってますよ♡」
「うんうん、違反になるから夕方5時になったらタイムカードを押して戻って来てね。まだやる事は沢山あるから!」
「ええっ、定時で帰れるんじゃないんですか?」
「うんうん、理想と政府の規則はそうなんだけど、現実はそんなに甘くないからね。政府の規則通りを守っていたら、会社の経営が成り立たなくなるよ。だから、タイムカードを押して、定時で帰ったことにしてくれれば、政府の規則も会社の運営も守れる事になるんだ。
1つ、会社と政府のためによろしく頼むよ。みんな、そうやって仕事しているんだ。君だけ特別扱いはできないよ。仕事がない時は、定時で帰って良いからさ……」
「そんな……」
こうしてラシェルは、定時で帰るフリをして、いつも通りの残業をする事になった。だが、それには恐るべき罠が隠されていたのである。一生懸命働いたラシェルの元に、1ヶ月分の給料明細が届けられた。そこにこそ、恐るべき計画が記されていたのである。
「ふう、ようやく初月給か。あんだけ頑張って働いたんだもん。きっと給料は沢山もらえるはず♡ さてと、中身を確認してみますか。8時間労働+残業時間の4時間で、給料は相当高給になっているはず……」
ラシェルは、初めてもらったラブレターを読むかのように、丁寧に給料明細の入った封筒をハサミで傷付けないように開ける。時々動きを止めて、緊張した様子で中身を見るのを戸惑っていた。OLらしい初々しい仕草だ。意を決して、給料明細を確認する。
「ええっ、なにこれ!? なにかの、間違い? こんなに低いはずないもん。パートさんの給料明細と入れ間違えたのかな?」
彼女は、上司がうっかり入れ間違えたと思い、次の日に給料明細を交換してもらう事にした。しかし、それは正真正銘の彼女の給料明細であり、基本給とわずかな残業時間しか手当てが支給されていなかった。
「あのう、この給料明細、他の人のと間違ってましたよ!」
ラシェルは、自分の給料がこんなに低いはずがないと思い、明るく上司に話しかける。上司は、彼女の給料明細を簡単に確認してこう言った。
「間違ってませんよ。完全にあなたの給料明細です!」
「ええっ、でも、こんなに給料が低いはずないですよ! 残業時間も含めたら、もっと高くなるはずです!」
「うんうん、君が勘違いしている事はわかったよ。タイムカード、押したよね? そこからは、給料は支給されないんだ。つまり、サービス残業っていう給料が支払われない時間に入るんだよ。君は仕事できないから、ちょっと人よりサービス残業してもらわないと困るね」
「はふう! ええっ、働いたのに給料出ないんですか?」
「うん、定時で帰った事になるね」
「そんな……」
ラシェルはその日、世の中の厳しさを痛感して家に帰る。そこには、ガッカリとした表情をした少女がうなだれていた。背中に哀愁を漂わせ、疲れ切ったようなダメージを受けている。我ながら、恐ろしい魔法を考え付いてしまったと感じる。
「許せ、ラシェル。これも君の為なんだ……」
オレは、心を鬼にして、折れかけたラシェルをたたみ掛ける事にした。彼女が家に帰ると、そこには鬼のような形相をした大家が待ち構えている。普段は優しい彼女だが、家賃の取り立ての時には般若のような顔をしているのだ。
取り立ては、甘い表情ではできない仕事なのだ。1時でも例外を設けてしまうと、次からは舐められてしまう。家賃の取り立ての時は、一切の容赦を捨てて、厳しく取り立てなければならないのだ。当然、家賃を滞納していれば、容赦なく追い出さなくてはいけない。
「あっ、大家さん、こんばんわ!」
「ラシェルさん、早く家賃を払ってください。今度からは振り込みにしますけど、今日は直接受け取りに来ました。5万円、それと地域の費用として1万円払ってください。合計6万円ですね」
「えええ、そんなに……。私の給料の4分の1ですよ?」
「5万円でも良いですけど、ゴミ出しとかできなくなりますよ。後、あなた、地域の掃除もしてないじゃないですか。私が代わりにやっておいたから良かったけど、今度からはしっかりと回覧板を見て、自分の担当のところはやっておいてくださいね。
1万円だって安いほうなんですよ? 他にも、小学校の見回りとか、入学式と卒業式の準備とか手伝わないといけない仕事を他の人がやってくれてるのよ。仕事しているOLだから甘く見てたけど、お金くらいは払ってくださいよ!」
「分かりましたよ。はい、6万円です!」
「ふふ、ありがとう」
こうして、大家は帰って行った。しかし、次の日には、車の保険や車検などの費用によって、あっという間に彼女の給料は無くなっていく。年金という老後の蓄えも強制的に払わされたが、今の世の中では上手く機能しているか分からないという噂さえ聞こえる。
「ひいいい、怖いよ、怖いよ。お金が飛ぶように無くなってちゃうよ……」
彼女は買い物をしながら、なんとか自分を慰めていた。努力をして働いたのだ。自分へのご褒美として、ちょっと良い買い物を楽しんでいた。そこへ、1人の男が近づいてきたのである。給料が無くなっていくという現実を目の当たりにした彼女は、格好の獲物だった。
「はーい、お嬢さん、給料足りてますか? 実は、ちょっと高年齢の男の人とデートするだけでがっぽり稼げる仕事があるんですけど、興味ない? お嬢さんなら、年収三千万は稼げるよ?」
「本当!?」
「うん、本当だよ! ちょっと事務所で詳しく聞いてみる? なんなら1日体験をしてみて、その場で採用ってサービスも付いてるよ?」
「やります!」
世の中の荒波に呑まれたラシェルには、正常な判断が付かない状態になっていた。より多くの給料と生活を求めて、禁断の職場に転職しようとしていたのである。そこへ行ってしまえば、難癖を付けられて借金を背負わされ、体を売るという未来が待っているのだ。
「ここまでだな。本当の地獄を見せるわけにはいかない。ここまで拷問を体感できれば十分だろう……」
オレは、ラシェルが体を売ろうとする前に、自分のスペルを中断させて、オレと彼女を元いた異世界へと戻させた。亜空間に居たため時間は数秒しか経っておらず、彼女が1ヶ月を体感した疲労感と精神的なダメージだけが残っていた。
「あれ、ここは?」
「君の元いた世界さ。1ヶ月間、厳しい労働に良く耐えられたね。お疲れ様!」
「うわあああああああん、怖かったよ……。お給料が、お給料が……」
ラシェル自身の方からオレの方に抱き付いてきた。オレの優しい一言が、彼女の心に深く感動を与えたようだ。1ヶ月間仕事を頑張っても、誰も感謝や励ましなどしてくれない。敵であったはずのオレからの労いの言葉により、幼い彼女は落ちたのだ。
「うんうん、今日は、オレと一緒にゆっくり休もう……」
オレの腕の中に抱きしめられて、精神的に披露していた彼女はすぐに眠りに陥った。12歳の少女に、OL体験はかなりキツかったらしい。安心しきった可愛い寝顔をして、オレの腕の中で気持ち良さそうにしていた。
「さてと、ラシェル姫もリゼットの近くで寝かせてやるか」
オレは、幼いラシェルを抱えて、山小屋に入る。すでにベッドの中で寝ているリゼットは、完全に熟睡していた。その隣へ、オレは優しくラシェルを横たえる。彼女たちの寝顔を見ていると、オレはある事に気が付いた。
(ロリ巨乳のリゼットと、ちっぱいのラシェルが揃ったぜ。さて、どうやって調理するか……)
オレは、安心しきって眠る少女達を見ながら、山小屋の扉をゆっくりと閉める。今夜は、3人で一夜を共に過ごすのだ。眠っている少女の他には、誰もいない。オレは、とりあえずラシェル姫の着ている服を脱がせることにした。このままでは苦しいだろう。
「うぐ、何よ……。ここは……」
ラシェルが辿り着いたのは、オレが元々いた世界の職場だった。工場内という人が機械のように働かされる職場での労働を彼女に体感してもらうことにした。1週間ほど仕事をしては寝るという、恐るべき拷問のスケジュールが続いていた。
「はあ、はあ、はあ、なんて事なの……。怖いおじさんに脅されて、毎日同じ労働を繰り返されているわ。一日12時間以上の仕事をして疲れて帰って、夜ようやく眠れると思ったら、すぐに朝になって仕事を強制させられるなんて……。
このままでは、精神が崩壊してしまうわ。なんとかスペルを使って脱出しようにも、魔法が一切発動しないし……。今まで居た世界とは、別の世界という事? こんな魔法が使えるなんて……。智樹を舐めていたようね……」
彼女は度重なる労働によって疲れていた。オレは、更なる追い討ちをかけることにする。彼女の柔い心を打ち砕き、オレの忠実な女の子に変えてしまうのだ。そうすれば、彼女はもはやオレとリゼットの命を狙うことはない。
「許せ、ラシェル。勝負とは、時には非情なものなのだ……」
ラシェルは、1週間の労働を終えて帰ってくる。そこには王女としての威厳はなくなり、OLのようなだらし無い生活へと変わり果てていた。一日中働いたことによって、家での生活まで手が回らないのである。
「ふー、ようやくこの地獄のような日々も区切りが付いたようね。まずは、美味しいドリンク(ドデカミン)でも飲んで疲れを癒しますか。もう、下着姿で過ごしちゃう。部屋の片付けなんてやってらんないわ……」
ビールこそ飲んでいないが、そこには12歳の王女の気品はない。小ちゃいOLとかした可愛い女の子がベッドに寝そべりながらジュースを飲んでいた。テレビのリモコンを片手に、ニュース番組や恋愛ドラマをハシゴして見ている。
「ふう、どっかに良い男いないかな……」
ラシェルがテレビを見てそう呟いていると、突然の臨時ニュースが飛び込んで来る。なんと、労働基準が改正されて、残業は禁止になるという素晴らしい内容のニュースだ。ラシェルの顔が少女の笑顔に戻る。
「わー、8時間労働で、残業なしになるんだ! これで、少しは仕事が楽になるかもしんない!」
こうして、喜びながら休日を過ごして、あっという間に出勤の時間になっていた。休んだ時間は、寝ていることと買い物くらいで飛ぶように過ぎてしまう。それでも、残業がなくなるなら自分の使える時間は増える事になるのだ。
「ふう、もうすぐ仕事が終わる! よーし、定時で帰るぞ♡」
こうして定時の夕方5時近くになると、上司が近付いてくる。おそらく早く帰るようにという警告だろう。こうして心配してくれるところを見ると、少しは愛着が湧いてくる。ただのハゲ上司ではなく、優しい上司なのだと思い始めていた。
「ラシェル君、ちょっと良いかね?」
「あっ、はい! 定時で帰るって言う警告ですね。分かってますよ♡」
「うんうん、違反になるから夕方5時になったらタイムカードを押して戻って来てね。まだやる事は沢山あるから!」
「ええっ、定時で帰れるんじゃないんですか?」
「うんうん、理想と政府の規則はそうなんだけど、現実はそんなに甘くないからね。政府の規則通りを守っていたら、会社の経営が成り立たなくなるよ。だから、タイムカードを押して、定時で帰ったことにしてくれれば、政府の規則も会社の運営も守れる事になるんだ。
1つ、会社と政府のためによろしく頼むよ。みんな、そうやって仕事しているんだ。君だけ特別扱いはできないよ。仕事がない時は、定時で帰って良いからさ……」
「そんな……」
こうしてラシェルは、定時で帰るフリをして、いつも通りの残業をする事になった。だが、それには恐るべき罠が隠されていたのである。一生懸命働いたラシェルの元に、1ヶ月分の給料明細が届けられた。そこにこそ、恐るべき計画が記されていたのである。
「ふう、ようやく初月給か。あんだけ頑張って働いたんだもん。きっと給料は沢山もらえるはず♡ さてと、中身を確認してみますか。8時間労働+残業時間の4時間で、給料は相当高給になっているはず……」
ラシェルは、初めてもらったラブレターを読むかのように、丁寧に給料明細の入った封筒をハサミで傷付けないように開ける。時々動きを止めて、緊張した様子で中身を見るのを戸惑っていた。OLらしい初々しい仕草だ。意を決して、給料明細を確認する。
「ええっ、なにこれ!? なにかの、間違い? こんなに低いはずないもん。パートさんの給料明細と入れ間違えたのかな?」
彼女は、上司がうっかり入れ間違えたと思い、次の日に給料明細を交換してもらう事にした。しかし、それは正真正銘の彼女の給料明細であり、基本給とわずかな残業時間しか手当てが支給されていなかった。
「あのう、この給料明細、他の人のと間違ってましたよ!」
ラシェルは、自分の給料がこんなに低いはずがないと思い、明るく上司に話しかける。上司は、彼女の給料明細を簡単に確認してこう言った。
「間違ってませんよ。完全にあなたの給料明細です!」
「ええっ、でも、こんなに給料が低いはずないですよ! 残業時間も含めたら、もっと高くなるはずです!」
「うんうん、君が勘違いしている事はわかったよ。タイムカード、押したよね? そこからは、給料は支給されないんだ。つまり、サービス残業っていう給料が支払われない時間に入るんだよ。君は仕事できないから、ちょっと人よりサービス残業してもらわないと困るね」
「はふう! ええっ、働いたのに給料出ないんですか?」
「うん、定時で帰った事になるね」
「そんな……」
ラシェルはその日、世の中の厳しさを痛感して家に帰る。そこには、ガッカリとした表情をした少女がうなだれていた。背中に哀愁を漂わせ、疲れ切ったようなダメージを受けている。我ながら、恐ろしい魔法を考え付いてしまったと感じる。
「許せ、ラシェル。これも君の為なんだ……」
オレは、心を鬼にして、折れかけたラシェルをたたみ掛ける事にした。彼女が家に帰ると、そこには鬼のような形相をした大家が待ち構えている。普段は優しい彼女だが、家賃の取り立ての時には般若のような顔をしているのだ。
取り立ては、甘い表情ではできない仕事なのだ。1時でも例外を設けてしまうと、次からは舐められてしまう。家賃の取り立ての時は、一切の容赦を捨てて、厳しく取り立てなければならないのだ。当然、家賃を滞納していれば、容赦なく追い出さなくてはいけない。
「あっ、大家さん、こんばんわ!」
「ラシェルさん、早く家賃を払ってください。今度からは振り込みにしますけど、今日は直接受け取りに来ました。5万円、それと地域の費用として1万円払ってください。合計6万円ですね」
「えええ、そんなに……。私の給料の4分の1ですよ?」
「5万円でも良いですけど、ゴミ出しとかできなくなりますよ。後、あなた、地域の掃除もしてないじゃないですか。私が代わりにやっておいたから良かったけど、今度からはしっかりと回覧板を見て、自分の担当のところはやっておいてくださいね。
1万円だって安いほうなんですよ? 他にも、小学校の見回りとか、入学式と卒業式の準備とか手伝わないといけない仕事を他の人がやってくれてるのよ。仕事しているOLだから甘く見てたけど、お金くらいは払ってくださいよ!」
「分かりましたよ。はい、6万円です!」
「ふふ、ありがとう」
こうして、大家は帰って行った。しかし、次の日には、車の保険や車検などの費用によって、あっという間に彼女の給料は無くなっていく。年金という老後の蓄えも強制的に払わされたが、今の世の中では上手く機能しているか分からないという噂さえ聞こえる。
「ひいいい、怖いよ、怖いよ。お金が飛ぶように無くなってちゃうよ……」
彼女は買い物をしながら、なんとか自分を慰めていた。努力をして働いたのだ。自分へのご褒美として、ちょっと良い買い物を楽しんでいた。そこへ、1人の男が近づいてきたのである。給料が無くなっていくという現実を目の当たりにした彼女は、格好の獲物だった。
「はーい、お嬢さん、給料足りてますか? 実は、ちょっと高年齢の男の人とデートするだけでがっぽり稼げる仕事があるんですけど、興味ない? お嬢さんなら、年収三千万は稼げるよ?」
「本当!?」
「うん、本当だよ! ちょっと事務所で詳しく聞いてみる? なんなら1日体験をしてみて、その場で採用ってサービスも付いてるよ?」
「やります!」
世の中の荒波に呑まれたラシェルには、正常な判断が付かない状態になっていた。より多くの給料と生活を求めて、禁断の職場に転職しようとしていたのである。そこへ行ってしまえば、難癖を付けられて借金を背負わされ、体を売るという未来が待っているのだ。
「ここまでだな。本当の地獄を見せるわけにはいかない。ここまで拷問を体感できれば十分だろう……」
オレは、ラシェルが体を売ろうとする前に、自分のスペルを中断させて、オレと彼女を元いた異世界へと戻させた。亜空間に居たため時間は数秒しか経っておらず、彼女が1ヶ月を体感した疲労感と精神的なダメージだけが残っていた。
「あれ、ここは?」
「君の元いた世界さ。1ヶ月間、厳しい労働に良く耐えられたね。お疲れ様!」
「うわあああああああん、怖かったよ……。お給料が、お給料が……」
ラシェル自身の方からオレの方に抱き付いてきた。オレの優しい一言が、彼女の心に深く感動を与えたようだ。1ヶ月間仕事を頑張っても、誰も感謝や励ましなどしてくれない。敵であったはずのオレからの労いの言葉により、幼い彼女は落ちたのだ。
「うんうん、今日は、オレと一緒にゆっくり休もう……」
オレの腕の中に抱きしめられて、精神的に披露していた彼女はすぐに眠りに陥った。12歳の少女に、OL体験はかなりキツかったらしい。安心しきった可愛い寝顔をして、オレの腕の中で気持ち良さそうにしていた。
「さてと、ラシェル姫もリゼットの近くで寝かせてやるか」
オレは、幼いラシェルを抱えて、山小屋に入る。すでにベッドの中で寝ているリゼットは、完全に熟睡していた。その隣へ、オレは優しくラシェルを横たえる。彼女たちの寝顔を見ていると、オレはある事に気が付いた。
(ロリ巨乳のリゼットと、ちっぱいのラシェルが揃ったぜ。さて、どうやって調理するか……)
オレは、安心しきって眠る少女達を見ながら、山小屋の扉をゆっくりと閉める。今夜は、3人で一夜を共に過ごすのだ。眠っている少女の他には、誰もいない。オレは、とりあえずラシェル姫の着ている服を脱がせることにした。このままでは苦しいだろう。