オレは、敵の影が見えた事で、周りが敵に囲まれている事を悟る。とりあえず、何かしらのモンスターを召喚して、敵の動向を伺う事にした。何か、異常があっても、やられるのは敵だから問題ない。一網打尽にできるような、ちょっと大きめのモンスターをけしかける。
「『召喚(サモン) 巨大な火龍の幼児よ、しばしの時間荒野で大人の魔術師達と戯れる時間を楽しむが良い!』」
そうスペルを唱えると、敵達が潜んでいた荒野の方向に、火龍が5分間ほど召喚される。小型で空を飛ぶのがやっとの小さな龍だが、敵達には脅威となっていた。龍の口から吐き出す火球に呑まれて、数人が動けなくなっていた。香ばしい匂いが、小屋まで届いてくる。
赤いウロコと灼熱の鎧を身に付けた小型のドラゴンだった。リゼットが手の一部分だけを変化させた時には、あまりの醜い変わり様に絶望さえ感じたが、火龍オリジナルならば嫌いではない。むしろ、カッコイイと感じていた。
美しいリゼットの手が、赤いウロコに覆われ、爪も怪物の様になっていたのには悲しみさえも感じさせたが、それは彼女の能力がまだ開発途中であることを意味していた。途中の過程で醜く感じさせるのは、生みの苦しみという奴だ。
レベルアップしていけば、彼女の豊満なボディーに合った美しい変化となるだろう。赤い下着姿のちょっとエッチな格好だが、そこから発射される火炎弾は燃え上がる様な威力を誇っているのだ。きっと愛するオレ以外、彼女に近付くことはできないのだろう。
オレが、リゼットの赤い火龍と融合した下着姿を思い浮かべていると、すでに荒野での戦場は終わっていた。不意を突かれた上に、圧倒的なオレの魔法の前には手も足も出なかった様だ。5分と経たずに、魔術師どもは香ばしい焼肉に変化していた。
「うん、これは事故だ! オレが火龍を召喚して、魔術師達を殺したわけじゃないぜ。ちょっと出現場所が近くて、運が無かっただけだ……。いや、オレと出会った事が貴様らにとっては不幸な事だったのだ。リゼットを狙った事、後悔しながら死んで行け!」
オレは、スペル召喚によって、数人の命を奪ってしまったかもしれない。その事実を認めたくなくて、いろいろ心の中で動揺していた。事故だ、リゼットを狙った事による報いだとしても、オレは他人を傷付けた事には変わりない。最後は、開き直っていた。
火龍が吐き出した火球によって、辺り一面が土煙で覆われていたが、次第にその煙も晴れて行く。土煙が無くなった時には、荒野に1人の少女が現れていた。火龍が時間が経過した事によって消滅し、静かになっていたと思っていたが、それは間違っていた。
「ふーん、下級兵士を使って捜索させていたけど、まさか荒野に火龍を召喚して一網打尽にさせるなんてね……。私が来なかったら全滅していたわよ。さすがに、披露しているとはいっても、リゼット姫は実力者のようね。私が直々に殺してあげないと……」
山小屋から50メートルほど遠くにある荒野、そこから1人の少女がゆっくりと歩いて来ていた。その手には、小型の火龍の首を、檻のような籠に入れて持ち歩いていた。どうやら少女が火龍を殺して、一瞬で首を刎ねたらしい。
「でも、残念ね……。こんな可愛いペットの火龍を差し向けるなんて……。超巨大な火龍だったら、死ぬことはなくて私のペットにしてたというのに……。まあ、拷問で死ぬか、一瞬で殺されるかの差しかなかったけどね。本当なら、じわじわと甚振りたかったわ♡」
小型の火龍といっても、体調は5メートルくらいの大きさがある。12歳前後の少女に殺せるようなモンスターではないのだ。その火龍の首を、鉄の檻に入れて振り回しているのだ。血抜きをして、火龍の首は自分のコレクションにする気のようだ。
「うふふふふ、火龍の首の置物、お城の壁にでも飾ったら可愛いかしら? こうしておけば、時間が経っても消滅することはないし……。良いコレクションが完成したわ。次は、リゼット姫とその従者の首をコレクションに加えてあげる♡」
少女は、オレを見据えて歩いて来ていた。火龍の首を胸に抱いて、挑発するようにオレに見せびらかしてくる。茶髪のショートカットというロゼット姫に似た容姿をしているが、敵国の軍服ワンピースから敵である事が分かる。しかも、危険な感じのする女の子だった。
「くう、リゼットと似たような茶髪の童顔に、敵国の軍服ワンピース、明らからに彼女をライバル視しているな。気品や性格はちょっと違うようだが、一番の違いは別の場所にある。リゼットが童顔のロリ巨乳に対して、彼女は完全なるちっぱいだ!」
そう、服の上からでも2人の違いが明らかにわかる。リゼットは、白い胸が浮き出して見えるほどの巨乳に対して、歩いて来る少女は、凹凸などないじゃのようなスレンダーだった。子どもらしい風貌の彼女だが、その眼は怪しい赤い瞳で輝いていた。
「ご機嫌よう、リゼット姫の騎士(ナイト)様。私、アレクシス公爵の妹で、リゼット姫の友人『シャルパンティエ ピエール=ラシェル』と申します。簡単に、『ラシェル』とお呼びください。では、あなた様のお名前は?」
ラシェルは、スカートをちょっと持ち上げて、貴族らしい挨拶を交わす。リゼットは時間がなかったために省略していたが、これが貴族本来の挨拶のようだ。オレがシャツとトランクスという姿だったのも原因の1つだろう。
「あっ、これはこれは礼儀正しく挨拶していただきありがとうございます。オレの名前は、櫻田智樹と申します。簡単に、『とも君』と呼んでください」
オレは、ラシェル姫の礼儀正しさに釣られて言葉遣いが丁寧になる。45度のお辞儀までするほどの貴賓高さを感じていた。ドラゴンの首さえ振り回していなければ、惚れてしまうかもしれない可愛らしさだった。
「では、『とも君』。私の友人であるリゼット姫を呼んできてもらえますか? 彼女の親友であるラシェル姫が会いにきたと言えば、彼女も素直に出ててくれるでしょう。お任せしますよ?」
なんということだろう。リゼットは、オレのことを『とも君』などとは予防としなかった。それで少し落ち込んでいたのだが、それと同じ様なレベルのラシェルから、『とも君』という有難いお言葉を頂けたのだ。オレの顔に、思わず笑みがこぼれる。
「それが、リゼット姫は体調が優れなくて眠っているのです。後、数時間したら起き上がって来れるとは思うのですが……。どうですか、それまでの間、オレと一緒にデート気分でお茶でも楽しまれては?」
これは、断じて浮気なのではない! リゼット姫の大切な友人、もしかしたら親友かもしれないラシェル姫を無下に追い返してはいけないという英断だ。その為にも、ラシェル姫を楽しませなければいけない。女性とデートして楽しませるという覚悟が大切なのだ。
「まあ、まあ、嬉しいですわ。ちょうど、あなたもリゼット姫も惨殺しようと思っていましたので、まずは前菜のあなたから『拷問(トーチャー)』魔術で、苦しめて、苦しめて、苦しめて、じわじわと殺してしまいましょう。楽しませてくださいね、『とも君』♡」
ラシェル姫の可愛らしい笑顔が、その言葉を語った瞬間に恐ろしい笑顔に変化した。片手には、他の魔術師を圧倒していた火龍の首。それを無邪気に振り回しているのだ。オレの脳裏に、この子はヤバイという警告音が発生する。その警告音ももはや手遅れの状態だった。
「『召喚(サモン) 巨大な火龍の幼児よ、しばしの時間荒野で大人の魔術師達と戯れる時間を楽しむが良い!』」
そうスペルを唱えると、敵達が潜んでいた荒野の方向に、火龍が5分間ほど召喚される。小型で空を飛ぶのがやっとの小さな龍だが、敵達には脅威となっていた。龍の口から吐き出す火球に呑まれて、数人が動けなくなっていた。香ばしい匂いが、小屋まで届いてくる。
赤いウロコと灼熱の鎧を身に付けた小型のドラゴンだった。リゼットが手の一部分だけを変化させた時には、あまりの醜い変わり様に絶望さえ感じたが、火龍オリジナルならば嫌いではない。むしろ、カッコイイと感じていた。
美しいリゼットの手が、赤いウロコに覆われ、爪も怪物の様になっていたのには悲しみさえも感じさせたが、それは彼女の能力がまだ開発途中であることを意味していた。途中の過程で醜く感じさせるのは、生みの苦しみという奴だ。
レベルアップしていけば、彼女の豊満なボディーに合った美しい変化となるだろう。赤い下着姿のちょっとエッチな格好だが、そこから発射される火炎弾は燃え上がる様な威力を誇っているのだ。きっと愛するオレ以外、彼女に近付くことはできないのだろう。
オレが、リゼットの赤い火龍と融合した下着姿を思い浮かべていると、すでに荒野での戦場は終わっていた。不意を突かれた上に、圧倒的なオレの魔法の前には手も足も出なかった様だ。5分と経たずに、魔術師どもは香ばしい焼肉に変化していた。
「うん、これは事故だ! オレが火龍を召喚して、魔術師達を殺したわけじゃないぜ。ちょっと出現場所が近くて、運が無かっただけだ……。いや、オレと出会った事が貴様らにとっては不幸な事だったのだ。リゼットを狙った事、後悔しながら死んで行け!」
オレは、スペル召喚によって、数人の命を奪ってしまったかもしれない。その事実を認めたくなくて、いろいろ心の中で動揺していた。事故だ、リゼットを狙った事による報いだとしても、オレは他人を傷付けた事には変わりない。最後は、開き直っていた。
火龍が吐き出した火球によって、辺り一面が土煙で覆われていたが、次第にその煙も晴れて行く。土煙が無くなった時には、荒野に1人の少女が現れていた。火龍が時間が経過した事によって消滅し、静かになっていたと思っていたが、それは間違っていた。
「ふーん、下級兵士を使って捜索させていたけど、まさか荒野に火龍を召喚して一網打尽にさせるなんてね……。私が来なかったら全滅していたわよ。さすがに、披露しているとはいっても、リゼット姫は実力者のようね。私が直々に殺してあげないと……」
山小屋から50メートルほど遠くにある荒野、そこから1人の少女がゆっくりと歩いて来ていた。その手には、小型の火龍の首を、檻のような籠に入れて持ち歩いていた。どうやら少女が火龍を殺して、一瞬で首を刎ねたらしい。
「でも、残念ね……。こんな可愛いペットの火龍を差し向けるなんて……。超巨大な火龍だったら、死ぬことはなくて私のペットにしてたというのに……。まあ、拷問で死ぬか、一瞬で殺されるかの差しかなかったけどね。本当なら、じわじわと甚振りたかったわ♡」
小型の火龍といっても、体調は5メートルくらいの大きさがある。12歳前後の少女に殺せるようなモンスターではないのだ。その火龍の首を、鉄の檻に入れて振り回しているのだ。血抜きをして、火龍の首は自分のコレクションにする気のようだ。
「うふふふふ、火龍の首の置物、お城の壁にでも飾ったら可愛いかしら? こうしておけば、時間が経っても消滅することはないし……。良いコレクションが完成したわ。次は、リゼット姫とその従者の首をコレクションに加えてあげる♡」
少女は、オレを見据えて歩いて来ていた。火龍の首を胸に抱いて、挑発するようにオレに見せびらかしてくる。茶髪のショートカットというロゼット姫に似た容姿をしているが、敵国の軍服ワンピースから敵である事が分かる。しかも、危険な感じのする女の子だった。
「くう、リゼットと似たような茶髪の童顔に、敵国の軍服ワンピース、明らからに彼女をライバル視しているな。気品や性格はちょっと違うようだが、一番の違いは別の場所にある。リゼットが童顔のロリ巨乳に対して、彼女は完全なるちっぱいだ!」
そう、服の上からでも2人の違いが明らかにわかる。リゼットは、白い胸が浮き出して見えるほどの巨乳に対して、歩いて来る少女は、凹凸などないじゃのようなスレンダーだった。子どもらしい風貌の彼女だが、その眼は怪しい赤い瞳で輝いていた。
「ご機嫌よう、リゼット姫の騎士(ナイト)様。私、アレクシス公爵の妹で、リゼット姫の友人『シャルパンティエ ピエール=ラシェル』と申します。簡単に、『ラシェル』とお呼びください。では、あなた様のお名前は?」
ラシェルは、スカートをちょっと持ち上げて、貴族らしい挨拶を交わす。リゼットは時間がなかったために省略していたが、これが貴族本来の挨拶のようだ。オレがシャツとトランクスという姿だったのも原因の1つだろう。
「あっ、これはこれは礼儀正しく挨拶していただきありがとうございます。オレの名前は、櫻田智樹と申します。簡単に、『とも君』と呼んでください」
オレは、ラシェル姫の礼儀正しさに釣られて言葉遣いが丁寧になる。45度のお辞儀までするほどの貴賓高さを感じていた。ドラゴンの首さえ振り回していなければ、惚れてしまうかもしれない可愛らしさだった。
「では、『とも君』。私の友人であるリゼット姫を呼んできてもらえますか? 彼女の親友であるラシェル姫が会いにきたと言えば、彼女も素直に出ててくれるでしょう。お任せしますよ?」
なんということだろう。リゼットは、オレのことを『とも君』などとは予防としなかった。それで少し落ち込んでいたのだが、それと同じ様なレベルのラシェルから、『とも君』という有難いお言葉を頂けたのだ。オレの顔に、思わず笑みがこぼれる。
「それが、リゼット姫は体調が優れなくて眠っているのです。後、数時間したら起き上がって来れるとは思うのですが……。どうですか、それまでの間、オレと一緒にデート気分でお茶でも楽しまれては?」
これは、断じて浮気なのではない! リゼット姫の大切な友人、もしかしたら親友かもしれないラシェル姫を無下に追い返してはいけないという英断だ。その為にも、ラシェル姫を楽しませなければいけない。女性とデートして楽しませるという覚悟が大切なのだ。
「まあ、まあ、嬉しいですわ。ちょうど、あなたもリゼット姫も惨殺しようと思っていましたので、まずは前菜のあなたから『拷問(トーチャー)』魔術で、苦しめて、苦しめて、苦しめて、じわじわと殺してしまいましょう。楽しませてくださいね、『とも君』♡」
ラシェル姫の可愛らしい笑顔が、その言葉を語った瞬間に恐ろしい笑顔に変化した。片手には、他の魔術師を圧倒していた火龍の首。それを無邪気に振り回しているのだ。オレの脳裏に、この子はヤバイという警告音が発生する。その警告音ももはや手遅れの状態だった。