オレの痛みが引き、拘束具だけがオレの足枷となっていた。オレが目を覚まして見ると、右隣にリゼットが眠り、左隣にラシェルが眠っている。2人とも可愛い寝息を立てて、ぐっすりと眠っているようだ。

「くっくっく、こんな軟い拘束具でオレを拘束できたと思うなよ。『解放(レリース) 全ての拘束具を解き放て!」

 オレがそうスペルを唱えると、軟い拘束具は全て解けた。これで、リゼットとラシェルを阻む物は何もない。可愛い寝息をたてて無防備な姿を晒している美少女2人が隣に横になっていた。今なら触り放題、キスし放題といった感じだ。

「まずは、リゼットにキスを……」

 オレはそう思ってリゼットのオッパイを触りながら口を近付ける。甘い吐息が漏れて、オレをキスするように誘惑してきた。このままキスを奪ってしまおうと考えたが、彼女のファーストキスかと思い躊躇する。いくら好き同士といっても寝チュウを奪うのは気が引けた。

「やはりリゼットとのキスは起きている時が良いな。今は、ホッペにチュウで我慢してくれ」

 オレは、リゼットの頰に優しくキスをした。オッパイを触りながらのチュウだが、リゼットは起きない。グッスリ眠っているようだ。オレは、ラシェルの方をチラリと見る。すでにファーストキスもセカンドキスも終わらしてしまった仲の2人だ。

「ラシェルなら寝チュウを奪っても問題ないな。何回でもキスできる」

 オレは、リゼットのオッパイを揉みながら、ラシェルの唇にキスを数回した。リゼットとのキスだと思って数分間の長いキスをしてしまっていた。ラシェルの甘い吐息はリゼットとはどう違うのだろうかと妄想を膨らませる。

「うーん、気持ち良い。何度でもしたいくらい病み付きになりそうだ……」

 オレは、舌を入れないもののラシェルの唇を何度も貪った。いくらキスしても満足できないくらい、童貞のオレには刺激的だった。ディープキスはやはりリゼットとのキスが良いと思い、なんとか耐える事ができた。

「ラシェルがロリ巨乳だったなら、キスとオッパイ揉みを同時にできたのだが……。いや、今後の成長に期待しておくか。もしかしたらリゼットのような美少女に成長するかもしれない。今は、Aカップの悲しいオッパイだが、いずれはDカップくらいには成長するかもな」

 オレは淡い期待を抱いて、ラシェルのオッパイを摘む。ある程度の刺激を与える事で、オッパイが急成長するのは思春期ならば可能だった。適度な刺激が促進剤となり、彼女をロリ巨乳へと変化させていくだろう。今は、ちっぱいでも満足するべきだった。

「うーん、とも君激しいよ♡」

 ラシェルは眠りながらもオレに愛情のこもった言葉をかける。夢の中でもオレにオッパイを揉ませている事だろう。オレは、とりあえず危険と判断してリゼットの方を弄ることにした。これ以上、リゼットにヤキモチを妬かせるわけにはいかない。

「リゼットのオッパイはゆっくり優しく揉んでやるか」

 オレは、リゼットのオッパイをタプタプするように下から上に持ち上げる感じで揉む。ラシェルにはない素晴らしいボリュームと弾力がオレの手を満足させようとしていた。弾むような心地良いオッパイが、圧倒的なボリュームでオレの手のひらで踊っていた。

「凄え、ラシェルには悪いけど、やはりオレにはリゼットしかいない! この弾力と張りは、妥協するわけにはいかないんだ!」

「はーん、智樹、またオッパイを触って……。そんなにオッパイが好きなの? 本当に、子供なんだから……」

「うおおお、リゼット可愛いよ♡」

 リゼットは、寝言でもオレにオッパイを揉まれている夢を見ていた。アレクシスとの恋はまだ諦めていないが、総合的に見てオレとの恋の方が現実的になってきたのだろう。時には、肉食系の方が、女の子にとっては魅力的に感じるものだ。

 オレは、タプタプとした揉み方を止めて、今度は指で思いっ切り彼女のオッパイを鷲掴みしてみることにした。男というのは時に愚かで、どこまで女の子が許してくれたり、起きないかを試したくなる悲しい生き物なのだ。

「はあ、はあ、はあ、リゼット、可愛いよ、可愛いよ♡」

「あん、激しい過ぎる……。智樹、もっと優しくして……」

 リゼットは、オッパイの感触によって目を覚ました。夢だと思っていたが、現実だと知って顔を赤くする。オレから逃げるように毛布を自分の体にかけて拙い防御行動を取っていた。冷静さを取り戻して、叫び声をあげる。

「ひゃああああああああ、本当に揉まれてた! あっ、違うの。智樹は嫌いじゃないけど、やっぱりまだ早いよ……。知り合って1日しか経ってないんだよ……。せめて、付き合う期間を一年くらいはください。ちゃんと結婚の覚悟とかさせてよ……」

「オレのオッパイ揉み、気持ち良かった?」

「そりゃあ、アレクシスにもされた事はないし……。気持ち良かった♡」

 リゼットはボーッとした顔をしていたが、隣で寝ているラシェルの顔を見て冷静さを取り戻した。ツンデレのようなちょっと厳しい態度を取る。ベッドから飛び降りて、オレから離れていた。どうやら本音ではいろいろされたいが、理性で抑えているようだ。

「馬鹿、私が好きなら王としての責任と覚悟を決めた後にしなさいよ。中途半端な態度で王位を得ても、あなたにも苦痛になるだけだし、国民にも悪いわ。一番最初に考えるべき事は、国民の事なのよ。不安にさせるような事は極力しないで……」

「分かった。オレのスペル魔法で2つの国を1つにしてやるよ! そして、オレは国王になり、お前はオレの妃になるんだ! そこまで行けば、お前もオレを夫として認めるだろう?」

「別に、2つの国を統一しなくても良いよ。平和で国民が幸せならそれで私は満足だよ。土地なんて人の命や幸福には比べられないもん」

 リゼットはオレのスペル魔法を甘く見ているようだ。なんでも自由に魔法が使える以上、リゼットやラシェルを王女にして、国を平和に導く事もできるように感じていた。もちろん、2人をオレの嫁にする事も法律を変えればできる。

(こうなったら、リゼットとラシェルをオレの嫁にして、それで国を平和にしてみせる! アレクシス公爵とかいう男は、残念ながらオレとの一騎打ちで戦死するだろうが、それによって国は平和になるんだ。リゼットとラシェルも納得してくれるだろう)

 オレは、全ての発端がアレクシス公爵にあると見て、戦略と行動を開始した。どんな理由であれ、リゼットを振った男など生きている価値もない。しかし、オレが彼の国まで行って攻撃するのは不利に思えていた。

 どうせならリゼットとラシェルとラブラブしながら彼が攻めて来る方を待つ方が賢明に思えた。罠を張って待ち構えていれば、奴は勝手に死ぬだろう。オレが直接手を下すまでもない。兵士やトラップで彼の息の根を止められるだけの実力がオレにはある。

「リゼット、まずは君の城へ向かわないか? 昨日の夜には、すでに戦闘は終わってるように思えたんだけど……」

「ええ、これから3人でお父様のお城まで行こうと思っていたのに……。でも、私のお城の様子も気になるし、ラシェルが私に協力してくれるなら戻っても良いけど……」

 オレは、ラシェルの顔を見る。彼女は、複雑な表情をしていた。かつては攻め落とそうとした城だ。そこでリゼットの命を奪おうとしても不思議ではない。どうしようか考えあぐねている顔付きだった。

「ラシェル、リゼット城をお前とオレの愛の巣にしよう! リゼットも当然そこにはいるが、そいつはオレの所有物だ。お前でも、オレの所有物を傷付ける事は許さないぜ!」

「はう、とも君とラシェルの愛の巣……。そうか、リゼット城はもはや攻め落とされたも同然。結果的に、とも君のお城になるんだ。なら、ラシェルをとも君の恋人と認めてくれるって事?」

「ああ、リゼットとも婚約関係になるから、全てが解決するまではお互いに仲良くしてもらうぜ。君とリゼットは、一国を争う大切な存在だ。そういうつもりでオレは君とリゼットに接している」

「リゼットは恋のライバルか……。でも、とも君が私を幸せにしてくれるって信じてるもん。怖くないよ、とも君、私を世界一幸せなお嫁さんにしてね♡」

 ラシェルは超可愛かった。彼女の目標は、あくまでもオレのお嫁さんなのだ。リゼットのように国や国民の事までは考えていない。ただ、オレと一緒に結婚して、幸せな家庭を築くだけで満足なのだ。この子の期待を裏切ってはいけないと思う。

「ちょっと、私と婚約してるの忘れてるの? そうほいほいラシェルとラブラブしないでよ! 智樹は、私が召喚した男なのよ。所有権は私にあるわ。私が願えば、どこか他の世界に移転させる事だってできるんだからね!」

 リゼットは、オレの腕を掴んでオッパイを押し付けて来た。オレを独占したいという欲望丸出しだ。まるで恋人同士のように腕を組んで、自分がオレの恋人である事をアピールしていた。この2人を仲良くして、オレと一緒に夫婦にしなければいけない。

(2人とも、やはりオレを取り合う関係になってしまうのか……。なんとか2人が仲良くなってオレと3人で一緒に結婚する方法を考えたいのだが……)

 可愛い女の子に囲まれた以上、男なら誰でも考えてしまうハーレムエンドを、オレは目指し始めた。それはとてもキツく、並みの男性ならば苦痛を伴うイバラの道だ。それでも、リゼットとラシェルを見ていると、それしか方法が思い付かないでいた。