オレはラシェルの可愛い攻撃に耐えた事により、ついにリゼットとの入浴タイムに入る。オレは彼女の体を見るなり興奮して抱き付いた。オッパイの魅力には抗えず、まずはそこを綺麗にしたいと考えていたのだ。ただ揉みたいと思っていただけではない。

「はあ、はあ、はあ、リゼット、可愛いよ♡」

(はーん、ラシェルのちっぱいで興奮したか? まさか、こんなダイレクトに私のオッパイを揉んでくるなんて……。ダメよ、気持ち良いけど……。ここでラシェルみたいに好きになるのは絶対にダメ……。まだ、アレクシスが私を好きな可能性が出てきたんだもん)

 リゼットは声を抑えて、オレのテクニックに耐えていた。ラシェルのオッパイを揉んだ経験しかないが、それでも彼女にとっては気持ち良いだろう。理性で無理矢理にオレのテクニックを耐え忍んでいた。オレから離れて、タオルで自分の身を隠す。

「ダメよ……。私とアレクシスの関係も完全には解消していない状態だし、あなたも私の婚約者でありながらラシェルと恋人状態にあるわ。私がアレクシスと完全に別れた後に、あなたが私だけを愛すると誓うまでは、恋愛状態になるわけにはいかない。

 私は一国の王女なのよ。簡単に誰かを好きになるわけにはいかないの。国の将来も、兵士に威厳を保つためにも貞操は守らなければいけないわ。智樹にはわかって欲しい。私の夫になるということは、この国の王になるのと同じことなのよ」

「うっ、王女様というのは責任も重いんだな。でも、体を洗うくらい良いだろう?」

「そうね、私が智樹を大切に洗ってあげるわ。一応、婚約者同士だもの、それくらいは許されるでしょう!」

「それじゃあ……」

 オレは、リゼットに近付くと、彼女はスペルを唱え始めた。どうやらこの状況でスペルを使ったプレイをするらしい。オレはドキドキして身構えていた。オレとリゼットもそれなりに両想いであることは分かる。お互いに裸同士なのだ。

「『召喚(サモン) 大地に芽生えし豊かな植物よ。私に体を洗うための固い乾いた実を与え給え。彼をそれによって神聖な者とする。“ヘチマのスポンジ召喚”』。さてと、とも君、これで綺麗に身も心も洗ってあげるわ♡」

「リゼット、オレのためにこんなアイテムを……」

 オレは彼女がただスポンジを召喚しただけだと油断していた。無防備な背中を彼女に向けてさらけ出していた。前はタオルで覆っているが、そこの部分も彼女のターゲットに含まれているとは思っていなかった。

「ふふふ、しっかり洗ってあげるわ♡」

「リゼット、何を……」

 リゼットはオレの足を入念に洗い始めた。ヘチマの固いスポンジが、オレの足を激しく攻撃する。オレは、皮膚が剥けるほどの痛みを感じ始めて悶える。スポンジはまだ十分に湿っておらず、タワシと同じ威力を誇っていた。

「ぎゃあああああああああああ」

「男の子でしょう? 大人しく洗われなさい♡」

 リゼットは激しく悶えるオレに容赦なく攻撃を加える。下半身から背中、胸に至るまで激しく洗われていた。多少彼女のオッパイが当たったかもしれないが、今のオレには彼女の感触を楽しむ余裕さえもなかった。触れた部分が全て激痛となるのだ。

「いたたた……」

「ごめん、ごめん。ちょっと強く洗い過ぎちゃったわ♡ お詫びに薬を塗ってあげる♡ これで傷は治るはずよ! 『召喚(サモン) 虫刺されに良く効く塗り薬を我が手に召喚せよ。“最強の痒み止めキンカン召喚”』。これで塗ってあげるわ♡」

 リゼットの手には、オレにトドメをさせる最強の痒み止め兵器が握られていた。これを塗れば痒みを超えた激痛がオレを襲う。そんなことはお構い無しに、リゼットはオレの全身を塗り始めた。オレとラシェルとのキスを怒っているのだろう。

「すまない、ラシェルとのキスは事故なんだ!」

「なんのことかしら?」

「ぎゃあああああああああああああ」

 ヘチマで痛んだ皮膚に、キンカンの薬が染み込む。そこから恐るべき痛みがオレを襲っていた。この風呂の後は、リゼットの寝込みを襲おうとか考えていた計画は全て白紙となった。今夜は、痛みに耐えるだけで精一杯の状態にまで追い込まれたのだ。

「痛い、痛い!」

(ふん、これで智樹の戦力は削いでおいた。ラシェル1人ならば、私のスペル魔法でなんとでも調理できるわ。今日は安心して眠れるわね)

 痛みに耐えるオレを見て、ラシェルがウットリとした顔をする。恋に落ちたとはいっても、彼女は元々拷問好きの変態なのだ。愛するオレが悶えているのを見て、興奮し始めていた。
 そして、リゼットにこう問いかける。どうやら彼女を認めたようだ。

「リゼット、いつの間にあんな素晴らしい拷問(トーチャー)魔法を使えるようになったの。今度からはリゼットお姉様と呼ばせてもらって良いかしら? 私、あなたの事を尊敬しちゃうわ。

 あんなに激痛を与えているのに、彼には致命的なダメージはない。あんな愛のある拷問(トーチャー)魔法があったなんて……。ラシェル、目からウロコが落ちたように感じるわ。超興奮する……」

「別に、拷問(トーチャー)魔法じゃないわよ。痛みを快感に変えるSM魔法といったところかしら? 好きな男にだけ使ってあげると魅了(チャーム)と同じ効果を与える事ができるわよ。智樹だけに使ってあげなさい♡」

「うん! とも君を苦しめて、苦しめて、苦しめて私の恋人にしちゃうわ♡」

 ラシェルはドSになっていてもオレへの愛情は衰えていなかった。オレを傷付けずに痛めつけるSM魔法を開発し始めたようだ。このままでは、2人の美少女によってオレがドMに変わってしまう危険が出てきたのだ。

 オレは、リゼットのSM魔法によって、しばらく裸で動けないままでいた。痛みが快感に変わったわけではないが、リゼットの攻撃を耐えるだけで精一杯だったのだ。

「ちょっとやり過ぎたみたいね。ベッドに運んで添い寝するわよ。ここまで動けなければ、男性と一緒でも問題ないでしょう。一応、拘束具も装備させておくし……」

「はい、リゼットお姉様、とも君をベッドまで運んで、私とお姉様で川の字で寝ましょう♡
 今夜は楽しい夜になりそう。隣にはとも君が眠ってるんだもん!」

「本当に、魅了(チャーム)を解かなくて良いの?」

「うん! 私、とも君大好きだもん! 世界中の男性で一番好き♡」

「ラシェルが良いならこのままで良いけどね……」

 こうして、オレを挟んでリゼットとラシェルが添い寝を始めた。簡単なベルトで腕を拘束されて、トイレ以外は動けない状態が続いていた。朝になる頃には、オレの状態も元に戻り、なんとか動けるまでに回復していた。隣には美少女2人が寝ている。