「で……これからどうしよう?」
「どう考えても森の中よりはこっちの方が安全そうな気がしないか?」
フレイザーがあごで指し示したのは、何もない荒地…
「だよね。
歩いてるうちにはきっと町に出る筈だ。」
「じゃあ…」
フレイザーが話しかけた時、彼の腹の虫が鳴いた。
「……こんな状況でもおなかは減るんだね。
僕もおなか減ったよ。」
「エリオット、おまえ、何か食べるもの持ってないのか?」
エリオットは俯き加減に首を振った。
「……仕方ない。
我慢して、歩いて行こう。」
「どこまで我慢するんだい?」
「どこって……食べ物にありつくまでだろ…」
フレイザーのその言葉に、エリオットはさらにうなだれた。
*
「何もないねぇ…」
消え入りそうなエリオットの声に、フレイザーは足もとの小石を蹴った。
荒野でも小型のモンスターを見かけることはあったが、ほとんどのものは何もせず通り過ぎて行った。
「くっそー!なんで、町がないんだ?
もう、ずいぶん歩いてるのに…」
あたりはすっかり暗くなっていたが、幸い、フレイザーが懐中電灯を持っていたため困る事はなかった。
そうでなくとも、月灯かりだけでも相当明るい。
「ねぇ…フレイザー…うっ!」
「動くな!!」
「だ、誰っ?!」
エリオットは後ろから腕を回され、その首筋には短刀の冷たい感触が走った。
「お、おまえ!」
懐中電灯の灯かりに照らし出されたエリオットの状況に、フレイザーは息を飲んだ。
エリオットに短刀を押し当てている人物は、自分達と同じ年頃の少年だ。
しかし、その鋭い視線、身のこなしは自分達とは明らかに違う。
「その灯かりをこっちに向けるな!」
「あ…あぁ…」
フレイザーは、懐中電灯を下に向けた。
「金と食べ物を出せ!
素直に従えば、危害は加えない!」
「そう言われてもなぁ…」
「こいつがどうなっても良いのか?!」
「そうじゃないんだ。
俺達、金も食べ物も全く持ってないんだ。
嘘だと思うなら、調べてくれても良いぜ。」
「なんだって…?!」
フレイザーにそう言われ、少年は二人の姿をまじまじとみつめる。
エリオットは杖、フレイザーは灯かりを出すものしか持っていないことから、少年はフレイザーの言ってることが嘘ではないと理解した。
「どう考えても森の中よりはこっちの方が安全そうな気がしないか?」
フレイザーがあごで指し示したのは、何もない荒地…
「だよね。
歩いてるうちにはきっと町に出る筈だ。」
「じゃあ…」
フレイザーが話しかけた時、彼の腹の虫が鳴いた。
「……こんな状況でもおなかは減るんだね。
僕もおなか減ったよ。」
「エリオット、おまえ、何か食べるもの持ってないのか?」
エリオットは俯き加減に首を振った。
「……仕方ない。
我慢して、歩いて行こう。」
「どこまで我慢するんだい?」
「どこって……食べ物にありつくまでだろ…」
フレイザーのその言葉に、エリオットはさらにうなだれた。
*
「何もないねぇ…」
消え入りそうなエリオットの声に、フレイザーは足もとの小石を蹴った。
荒野でも小型のモンスターを見かけることはあったが、ほとんどのものは何もせず通り過ぎて行った。
「くっそー!なんで、町がないんだ?
もう、ずいぶん歩いてるのに…」
あたりはすっかり暗くなっていたが、幸い、フレイザーが懐中電灯を持っていたため困る事はなかった。
そうでなくとも、月灯かりだけでも相当明るい。
「ねぇ…フレイザー…うっ!」
「動くな!!」
「だ、誰っ?!」
エリオットは後ろから腕を回され、その首筋には短刀の冷たい感触が走った。
「お、おまえ!」
懐中電灯の灯かりに照らし出されたエリオットの状況に、フレイザーは息を飲んだ。
エリオットに短刀を押し当てている人物は、自分達と同じ年頃の少年だ。
しかし、その鋭い視線、身のこなしは自分達とは明らかに違う。
「その灯かりをこっちに向けるな!」
「あ…あぁ…」
フレイザーは、懐中電灯を下に向けた。
「金と食べ物を出せ!
素直に従えば、危害は加えない!」
「そう言われてもなぁ…」
「こいつがどうなっても良いのか?!」
「そうじゃないんだ。
俺達、金も食べ物も全く持ってないんだ。
嘘だと思うなら、調べてくれても良いぜ。」
「なんだって…?!」
フレイザーにそう言われ、少年は二人の姿をまじまじとみつめる。
エリオットは杖、フレイザーは灯かりを出すものしか持っていないことから、少年はフレイザーの言ってることが嘘ではないと理解した。