(フレイザーの奴…)
コツンという窓に小石が当たる軽い音に、エリオットは軽く舌打ちをした。
一瞬顔をしかめると、エリオットは手に持ったコントローラーを置いて立ち上がり、窓を開ける。
「今、行くから!」
窓の下には、エリオットの予想した通り、手を振るフレイザーのにこやかな顔があった。
*
「よぅ、エリオット!
またゲームしてたのか?」
「……あぁ。
……今日は何?」
「なんだよ、またそんな嫌そうな顔して…」
「だって、やだもん!」
「またそんなことを…!部屋にばっかり閉じこもってたら身体に悪いぞ!
今日は良い所に連れてってやるよ!」
「良い所って…どうせまたあそこなんだろ?」
「当ったり~!」
そう言うと、フレイザーはエリオットの腕に手を回して歩き始めた。
「それ、やめて…」
「離したら、おまえ、逃げる気だろ?」
「逃げないから!」
エリオットは、フレイザーの腕を乱暴に払い除けた。
(こいつ…クラスで、僕達が変な誤解されてるの知らないのか?)
エリオットはうんざりとした顔をしながら、フレイザーの隣を歩いて行く。
フレイザーの行こうとしている場所は、エリオットにはすでにわかっていた。
それはフレイザーのお気に入りの場所…森のはずれにある遺跡だ。
遺跡だというのもフレイザーがそう言ってるだけで、本当にそうなのかどうかはわからないし、エリオットには特に関心もなかった。
とにかく、エリオットが彼に連れて行かれる場所はいつもそこなのだから、今回もそれだけは間違いようがなかった。
先日は、逃げ出そうとしてフレイザーに捕まった所を、たまたまクラスメイトに目撃され、「エリオットとフレイザーが仲良く腕を組んで歩いていた!」と噂になってしまったのだ。
しかし、クラスでも少し浮いた存在のフレイザーは、そんな噂を知っているのか、知らないのか、まるで気にする様子はなかった。
(それにしても…おかしな奴…)
自分の隣を鼻歌混じりに歩くフレイザーの姿に、エリオットは呆れながら小首を傾げた。
コツンという窓に小石が当たる軽い音に、エリオットは軽く舌打ちをした。
一瞬顔をしかめると、エリオットは手に持ったコントローラーを置いて立ち上がり、窓を開ける。
「今、行くから!」
窓の下には、エリオットの予想した通り、手を振るフレイザーのにこやかな顔があった。
*
「よぅ、エリオット!
またゲームしてたのか?」
「……あぁ。
……今日は何?」
「なんだよ、またそんな嫌そうな顔して…」
「だって、やだもん!」
「またそんなことを…!部屋にばっかり閉じこもってたら身体に悪いぞ!
今日は良い所に連れてってやるよ!」
「良い所って…どうせまたあそこなんだろ?」
「当ったり~!」
そう言うと、フレイザーはエリオットの腕に手を回して歩き始めた。
「それ、やめて…」
「離したら、おまえ、逃げる気だろ?」
「逃げないから!」
エリオットは、フレイザーの腕を乱暴に払い除けた。
(こいつ…クラスで、僕達が変な誤解されてるの知らないのか?)
エリオットはうんざりとした顔をしながら、フレイザーの隣を歩いて行く。
フレイザーの行こうとしている場所は、エリオットにはすでにわかっていた。
それはフレイザーのお気に入りの場所…森のはずれにある遺跡だ。
遺跡だというのもフレイザーがそう言ってるだけで、本当にそうなのかどうかはわからないし、エリオットには特に関心もなかった。
とにかく、エリオットが彼に連れて行かれる場所はいつもそこなのだから、今回もそれだけは間違いようがなかった。
先日は、逃げ出そうとしてフレイザーに捕まった所を、たまたまクラスメイトに目撃され、「エリオットとフレイザーが仲良く腕を組んで歩いていた!」と噂になってしまったのだ。
しかし、クラスでも少し浮いた存在のフレイザーは、そんな噂を知っているのか、知らないのか、まるで気にする様子はなかった。
(それにしても…おかしな奴…)
自分の隣を鼻歌混じりに歩くフレイザーの姿に、エリオットは呆れながら小首を傾げた。