彼女は末方莉花(すえかた りか)、私の親友である。

私は子供のころから病弱で、昔から入退院を繰り返していた。

そのせいか、友達と思いっきり遊んだ記憶は殆どないし、友達も殆どいない。

でも、莉花は違った。

私のこと、いつも気にかけてくれた。

入院したら、毎日お見舞いに来てくれた。

退院したら凄く喜んでくれて、当たり前のように一緒にいてくれた。

いつの間にか私と莉花はとても仲良くなっていて、今では同じ高校に通っている。

高校に入ってからも、私達の友情は変わらなかったし、私が入院する度に毎日お見舞いに来てくれる習慣は、今も続いている。

今日だってそうだ。

「流石にすぐにはね。
それより、今日は雨だったから大変だったでしょ?
嬉しいけど無理はしないでいいからね。」

「雨だからって全然。
あたしの画材は全く濡れてないし、平気平気!」

そう言って莉花は、リュックサックからスケッチブックと沢山の鉛筆を取り出す。

その表情はいつも通りキラキラと輝いていた。

「今日も描いていい?」

「嫌っていったら?」

「泣きわめく。」

「それは嫌。」

冗談なのに真剣に答えられて、私は思わず笑ってしまった。