やめたくても、やめられなかったんでしょう?
突然過ぎるよ……稚尋。
「姫!!」
「え!?」
「目、つむってよ」
突然の稚尋の言葉に澪は思わず身構える。
「え!?今……なんで?」
「いいから」
真剣な稚尋の瞳に捕われて、澪はそのまま言われるがままに瞳を閉じた。
………………。
何だ、この緊張感。
稚尋は、ゆっくりと澪に唇を重ねた。
「……っ!?」
先ほどまで自分が願ったことが叶えられ、澪は状況がうまく理解できていなかった。
「?」
キスの合間、突然口内に広がった異物感。
不意に、口の中に何かが入てきた。
それと同時に、稚尋は唇を離す。
「…………甘い」
キスと同時に稚尋がくれたのは、苺味のあめ玉だった。