「もう、うんざり」



自分の発している言葉が、澪は信じられなかった。



今日の自分は一体どうしてしまったのだろう。



自分の口から、すらすらとこんな残酷は言葉が出てくるなんて、思ってもみなかった。




稚尋を傷つける言葉なんだということは重々承知だ。




「………………」




稚尋はただ、澪を見つめていた。


怒ることも、悲しむこともなく、ただただ澪を見つめているだけだった。




澪の胸が、高鳴る。


やめてよ、そういうの。



稚尋はずるい……。


「ごめん……稚尋……今、私おかしい………」


どうかしてる。


自分から稚尋を求めるなんて。




俯く澪に、稚尋は言った。