今の時期に戻ってくるなんて。


雛子の行動を稚尋は不思議に思ったが、すぐに嫌な考えが浮かんだ。



…………復讐?



瑛梨奈のように、雛子も復讐が目的なのだろうか?



だとしたら、また澪に危害がいくのかもしれない。



どうしても、それだけは嫌だった。




守れなかった過去を、消し去るためにも絶対に彼女を守る。


澪だけは守り抜く。


だから。


『日曜日、デートしよう』



稚尋は澪をデートに誘った。






デート当日。


澪は稚尋の指定した場所にいた。


爽やかな色をしたワンピースを着て。



……可愛い。


直感的にそう思った。



そして、澪の容姿はあの日の雛子と被ってしまった。


真っ赤なカチューシャに、長い黒髪。




俺のものにしたい。



早く……早く。