* * *


────日曜日────



なぜか澪は、稚尋に言われた通りの場所にちゃんといる。


こんな時ばかり素直になってしまう。



集合場所は、隣町の水族館。


なんで隣町なんだろう?



そんな事を考えながら、澪は稚尋を待った。





そう言えば、今日は初めて学校以外の場所で稚尋と会う。


私、私服変じゃないよね!?


今日の澪は、真っ赤なカチューシャをつけ、爽やかな色のワンピースを着ていた。



気合い入れすぎとかじゃ、ないよね?



あぁっ!なんか緊張する。

澪は頬を赤く染めながら、ワンピースの裾をいじっている。



「何してんだよ……一人で」



聞き覚えのある声が、上からふってきた。




「あ……稚尋!」




稚尋の姿にドキリと澪の胸が高鳴る。



稚尋はジーパンにラフな黒いTシャツ姿だった。



見とれている澪を見て、稚尋はクスッと笑った。




キュンッと、澪の胸が苦しくなる。