* * *
「で?何を聞きたいの?」
だいたい内容はわかっていたが、瑛梨奈は一応聞いてみた。
澪は俯きながら、言った。
「えりと……稚尋に昔何があったのかなって思って」
とても気まずそうに瑛梨奈を見上げた澪。
「……えりと?」
「うん」
はぁ~あ。
どこまで稚尋が大好きなの?なんて、つっこんであげたくなっちゃう。
ねぇ澪。
稚尋はそこまで夢中になるような男じゃないよ?
ま、えりも相当澪に大切にされてるみたいだけど。
本当、呆れるくらいにバカな子。
だから、優しく親友が教えてあげるよ。
全部ぜんぶ。
「で?稚尋のことで聞きたいことって?」
人目につかない花壇に腰を下ろすと、瑛梨奈が言った。
その瞬間、かぁ~と澪の顔が赤くなった。
照れながらも、澪は保健室であったことを瑛梨奈に話した。
澪の話を聞き終えた瑛梨奈は、クスリと笑った。
そして、澪の手を取って言った。