好き。



そう言われて、嫌な気は全くない。




ただ純粋に嬉しい。




だからこそ、ちゃんと本当の恋がしたいとて思う。



だからこそ、軽率な答えは出来ない。



それは以前の澪では到底考えられないようなことだった。



私……なんか、稚尋に会ってからおかしくなった?



本当に、変わったのはお互い様のようだ。




その時、澪の頭に一つの疑問が生まれた。



それは、さきほどの瑛梨奈の言葉だ。




“えりが一番よく知ってるんだけど”




そして。






“相変わらずだな”


昔を懐かしむような、稚尋の瞳。




チクリと、澪の胸が傷む。



澪はゆっくりと口を開いた。




「……私も、聞いていい……?」



「いいよ」



稚尋の言葉で、澪は決意し、疑問を投げ掛けた。




「昔……えりと稚尋の間には、何があったの……?」