「園田にファンクラブとかできたらどうする?」

「誠斗はチャラくないから嫌がるんじゃないかなー」

「何かされたら?」

「えっ、キレる(笑)」

「(笑)いいね、強くなってよ」

「できることなら何もないほうがいいよー」

放課後部活、弓道部休憩中、弓道部は学校の隅の方に位置している、集中力がいるため短い休憩がよくあり、飲み物を買いたい時は体育館のほうまで戻ってこないといけない
誠斗は仲のいい男子一年と二年の先輩と飲み物を買いにぞろぞろ歩いていた、少し離れて一年女子が続く
自販機の前で集まっていると舞衣が体育館から出てきた

「誠斗の彼女だ」

みんな一斉に舞衣の方を見る
舞衣は視線を感じ、集団に目がいく
誠斗が手を振っていた
舞衣も軽く振り返す

(ちょっと集団はこわいよ、さっさと走りに行こう)

「誠斗はいいなー、紹介しろよ」

一年男子に言われる

「やだよ、あっでも今日から終わり一緒か」

「会えるな(笑)」

女子も噂する

「そうだ今日から一年も先輩と終わり時間一緒だね」

「でも私達電車じゃないもん、門まで園田くんといけるよね」

リカは黙って聞いていた

(同じ電車かー、誠斗に嫌がられたくないしな、違う車両に乗ろうかな)

部活が終わり舞衣は校門で待っていた
誠斗の声がして顔をあげると誠斗を中心に男子が5人、女子が7人歩いてきていた

「お待たせ」

「うん」

「弓道部の一年生、今日から終わり時間が同じなんだ」

「よろしくお願いします」

舞衣は頭を下げた
みんな口々によろしく~と挨拶して帰っていく

「ごめん誠斗、うまく話せなくて……誠斗の友達なのに」

「全然大丈夫、構わないよ、ただ今日から俺以外の一年生が一緒になるからってこと」

リカは離れて歩いていた

「今日舞衣疲れてる?」

「うん、今日暑かったよね」

「だな、だから俺らも自販機いったからさー」

「びっくりした、外に出たらいたから、袴姿かっこよかったよ」

「やったー、褒められた」

誠斗は嬉しくて舞衣の頭をなでた

「誠斗、ジュース飲みたい」

「じゃあ駅の自販機で買おう」

リカは到着早々ホームを出た