「あっ、鈴木佐知です」

「じゃあ鈴木さん、遅くなると叱られるとか?」

「別にそういう訳では……ご飯は食べてくると連絡は入れてあるから、でも明日学校だし」

「真面目なんだね」

「普通です」

「せっかく会ったんだしゆっくり遊ぼうよ」

「保、その言い方、チャラいと思われるからやめてよ」

「そう?俺、リカのことちゃんと好きだし、彼女って自覚もあるよ、でもみんなで賑やかに遊ぶのが結構好きなんだよね、ごめんね、鈴木さん」

「いえ」

「私のいないとこでも遊んでるんでしょ」

「時間がリカと合わなかったら遊ぶよ、でもリカと付き合いだしてからは女の子と二人にはなってないよ」

「しょうがないなあ、許す」

「ごめんなさい、私は許せないかも」

「やっぱ真面目、なあ哲也、信也の好みだよな、自分でチャラく声かけるのに実際ついてくる子は嫌なの」

「信也のことは俺はお前ほど把握してないな、鈴木悪いな、食事したら帰ろうな」

「うん」

「じゃあ連絡先すぐ交換した私はなんなのよ」

「だから俺が遊んだだろ?」

「信也くんが声かけてついてきた子はじゃあ保が相手をしてたんだ」

「そう、で、話してみるけどいまいちピンとこなくて気の強いリカを気に入ったってこと」

「保ー好き~」

「よかったねリカ」

「こいつが信也、6組、見たことない?」

佐知に写真を見せると佐知は携帯を覗きこんだ

「なんか、見たことある」

「マジ?学校で?」

「ううん、何か昔……」

「名前は安田信也っていうんだけど」

「名前はちょっと記憶ないんだけど」

「哲也、信也呼べよ」

「鈴木が帰るのが遅くなるだろ?」

「いいよ、呼んでも、何か気になるし、どこで会ったのか」

「じゃあ、連絡してみる」

哲也が席を立って電話しにいく

「ホントに哲也とは付き合ってないの?」

「うん」

グラタンを食べ終えた
リカは自分のジュースを佐知にあげていた

「ありがと」

「いいの?信也くんと会って」

「だって気になるでしょ、顔みたことあるような気がするのに、そのチャラいとか性格はわかんないよ」

哲也が戻ってきた

「来るって10分ほどでつくらしい」

「そっ、リカ、ジュース汲んできて」

「うん」

10分たって信也がドアを開けて入ってきた
哲也が手をあげる
信也は哲也の隣に座った

「何?呼び出して、リカちゃんと……」

佐知の顔を見る

「さっちゃん?」

「信也、やっぱり知ってるんだ」

「あっ、さっちゃんで合ってるのなら……だけど随分会ってないから……」