「何か舞衣から聞いた?」

「おかげで舞衣と園田が揉めちゃってるじゃない、一緒に帰ってればこんなことにならなかったのに」

「どういうことよ」

佐知は哲也が送っていって誠斗に会ってケンカになってることを説明した

「マジ?ごめん、舞衣と話してみるよ、うんじゃあ」

「なーに?」

「澤田くんが送っていったら誠斗とばったり会って二人がケンカしてるって」

「あちゃーヤバイね、哲也はどう思ったんだろう、明日聞いてみるか」

「ううん、ほっとくほうがいいと思う、澤田くんは送っていっただけだし、手を出してたらまた別だけど」

「今日は別に何もいってなかったけど……」

「だって戻らなかったのは私の意思だし、保と付き合うことが出来たのは連れ出したおかげかもじゃん、私自分で急すぎると思ったけど今になると勢いも必要だったかなって……」

「本当に?」

「うん」

「リカ、好き」

「うん、今日は帰るよ、明日早いから(笑)」

「じゃあもう少しな……送るし」

「うん!」

誠斗の合宿最終日、夕方四時に終わる予定なのに誠斗からの連絡はなかった
何で連絡くれないのよ、まだ電源オフにしてるの?
結局夜も連絡は入らなかった 
私から連絡してみようかな……でも誠斗が怒ったんだし……夏休みもあと一週間、連絡くるよね……

誠斗からは次の日も連絡はなかった
舞衣はリカに連絡する   

「誠斗は部活来てた?」

「それが来てないの、男子にも聞いて見たんだけど連絡とれないって、先生のほうにはあと一週間休むとは連絡はあったらしいんだけどね」

「そう、理由はわからないんだね」

「舞衣にもないの?」

「あの日から全然よ、リカは順調?」

「うん、舞衣には悪いけど仲良くしてる、ごめんね、佐知から聞いたけど私も勢いで付き合って今はよかったと思ってるからさ、保も付き合ってみるととても優しいし」

「誠斗の家ってわかる?」

「わかんない、いつも外で会ってたから、公園の近くで道一本違ったら北中だったっていうのは聞いたことある、誰かに聞いてみようか?」

「ううん、会いたかったら連絡してくるはず、きっとあきられたんだよ、ありがとね」

舞衣は電話を切った、部活も休むって私だけじゃなくて友達にも連絡してないって誠斗らしくないよね
でも誠斗らしいってどんなんだろう、まだ半年で誠斗のことわかってるのかな……私が勝手にいい人、優しいって決めつけていたのかもしれない、誠斗は私に逆らえないとか言うこと聞いてくれるとか、好きって言ってくれてるから大丈夫って、誠斗の口癖だし私も大丈夫と思ってた、今この状態で誠斗は私との関係を大丈夫って思ってくれてるのかな……

公園……さくら公園で最初に会った時、私より先に来てた……ってことは私の家より近いってことだ、で、道一本で北中ならあの道路沿いってこと……
舞衣は家からさくら公園にむかった