「とりあえずあと三日間は弓道に集中しろよ、気持ちの切り替えが一番大事だぞ」

「無理です」

「あっ、お前、そういえば土曜日何回か来たことあるよな」

「はい、わかってくれますか?」

「武田さんの娘かよ~」

「偶然ですけどそうです」

「明後日土曜日に何人か本部役員来るぞ」

「はい、聞いてます、肩のこと心配してくれてたんでメールとかも入ってくるんで」

二人は暑くなって脱衣所に出た

「誰がどういおうと別れようって切り出さなければ只のケンカだよ」

「別れようとは思いません、でも向こうに言われたらと思うと気が気じゃないんですメンタル弱すぎですよね」

「(笑)弱いな、克服できたらお前はもっと伸びるよ」

「ありがとうございます」

誠斗は部屋に戻った

「電話なってたぞ」

「すみません」

誠斗は電話を開けた
舞衣からの不在着信になっていた
とりあえず合宿に集中しよう、誠斗は電話の電源をオフにした

「もう~つながらない、誠斗のバカ」

携帯をソファーに投げる

「舞衣、携帯を投げないの」

「だって、誠斗がかけてくれないもん」

「忙しいでしょ、いつもわがまま言ってるんだから我慢しなさい」

「違うの、さっき弦をとりに一度帰ってきたの」

「じゃあ会ったんならいいじゃない」

「舞衣が男の子に送ってもらったら怒っちゃって、説明したいの」

「また、送ってもらったの?この間の傘の子?」

「うん、今日プールで偶然会ったの、本当だよ、舞衣は浮気してないよ」

「でも、二人でいるとこ見て冷静でいれるほうが難しいと思うわよ、お母さんは」

「同じクラスだし、ナンパされそうだったのを助けてくれたんだよ、で一緒に遊ぼうってことになったの」

「でもねー、嫉妬すると冷静になれないのよ」

「話聞いてくれないと理由も言えないじゃん」

「ただいまー」

「黙って行っちゃったんだよ」

「なんだ、どうした」

「舞衣が誠斗くんとケンカしたらしくて」

「まだケンカもなってない、話してないのに」

舞衣は携帯を持って二階にあがった

「ケンカ?誠斗くんが怒るなんて舞衣は何をやらかしたんだ」

「同じクラスの男子に会って遊んで送ってもらってたところを偶然誠斗くんに会ったんだって」

「舞衣は全く軽率だなー」

「舞衣の言い分もわかるけどね、誠斗くんも普段なら会わないのに弦がきれて家にとりに帰るなんて予感がしたのかしらね」

「そうだな」