舞衣は澤田に送ってもらっていた

「電話出た?」

「いや、出ねえ」

「かけてみようかな」

舞衣は携帯を出そうとする
澤田は舞衣の手を止めた

「やめとこう、多分仲良くしてるんじゃないかな」

「仲良くって?」

「まあ、多分だよ、あくまでも俺の推測、今日保の家族いないんだよ、だから保の家に言ってると思う」

「えっ、それって付き合うの?それに二人なんて危ないじゃん」

「いや、まだそれはわかんないけど、確認がとれないから」

「そっか、明日にでも聞いてみるよ、安西くんは真面目なの?リカの事遊びとかなら許さないんだから」

舞衣は頬を膨らました

「出た、ハムスターだ(笑)」

「だって心配なの、誠斗のこと諦めるのはいいけどやけになってつきあわないか……」

二人歩いていると前から誠斗が歩いてきた

「舞衣!……何してんだよ」

「誠斗」

舞衣は走っていって誠斗に抱きつく

「どうしたの?合宿は?」

「弦が切れてなくなってきたから新しいの家にとりに帰ろうと思って事情言って一度帰ってきたんだよ」

「連絡くれたらよかったのに」

「連絡したら哲也と会ってなかったって?」

「……誠斗?もしかして怒ってる?」

「当たり前だよ」

「誠斗……あのね聞いてよ」

「時間ないから」

誠斗は舞衣の回された手を払って哲也の横を黙って通り過ごした

舞衣と哲也は誠斗の後ろ姿を黙って見ていた

「武田、ごめん、俺が送ってきたから」

「ううん、前送ってくれた時も大丈夫だったんだよ、澤田くんのせいじゃないよ、舞衣が夜一人で帰るよりいいっていってくれるはず……」

「でも、怒ってたし」

「きっと、弓道のほうの調子が悪いんだよハードスケジュールだから、帰ろう、澤田くんも遅くなるし」

舞衣は今にも泣き出しそうだった

「武田、無理に笑わなくても、泣いていいぞ、いくらでも胸貸すから」

「……うん、ありがとう」

哲也は舞衣に近付いてそっと胸を貸す
誠斗、すまん二人の仲を壊すつもりはない、でも武田のこと可愛いんだよ、もう少し……気持ちの整理をつけさせてくれ……ちゃんと友達でいるから……手は出さないから……

舞衣は少し落ちついて哲也から離れた

「ありがとう、もう大丈夫、ちゃんと誠斗とも合宿終わったら話すし」

「駄目なら俺からも言うから言ってくれよな」

「うん」

哲也は舞衣を家まで送り帰っていった

誠斗は替えの弦と着替えも持ち合宿所に帰る電車に乗った
なんで、また哲也なんだよ……舞衣
電車から降りて携帯を出す
舞衣からは入ってなかった、弁解もなしかよ
誠斗はSNSを開いた、弓道部の友達がアップしていたのを見たとき、友達の投稿をいいねしている記事をみた
これ、舞衣?じゃないか?
写真を拡大した、顔は半分隠れていたが舞衣の顔の下半分と体つき、隣には哲也がいる