トイレから二人が戻ってくる

「お帰り~」

「ただいま~」

「何か頼む?」

信也が二人に聞く
哲也は舞衣にメニューを渡す

「少しお腹減った、唐揚げ食べたい」

「他も頼もう」

哲也は舞衣と二人でメニューを見る
保がリカに耳元で囁く

「抜けようぜ」

「えっ?」

「だって舞衣が」

「哲也が送るよ、哲也なら安心だろ?」

「でも誠斗に悪いじゃん」

「園田はいないんだろ?哲也にだって夏休み一度くらい二人にさしてやりてえじゃん」

「えー」

「なっ、行こう」

保はリカの手を引っ張って部屋からでた

「リカ」

「武田さんは唐揚げ頼んだから食べなきゃ」

「食べるけど、リカはどこにいくの?」

「二人で抜けたかったんじゃないのかな?」

「えっ、帰っちゃうってこと?」

「そうだね、武田さんは哲也が責任持って送るよ」

店員が注文の食事を運んできた

「武田、食べよう」

「うん……」


「ねえ、舞衣に何も言わないで来ちゃったよ、悪いし戻ろうよ」

「大丈夫だよ、行こうぜ」

「どこに?」

「二人になれるとこ」

二人は電車に載って二駅で降りた
少し歩くとマンションに着いた

「ここどこ?」

「俺の家」

「家族は?」

「旅行中」

「やだ」

「なんでだよ、リカとキスしたいよ」

「それだけじゃ終わらないでしょ?あたし保のことまだ好きじゃないって」

「俺は好きっていっただろ?約束する、本当に嫌だったら突き飛ばしていいから」

「本当に?」

「ああ、そんな同じ学校なのにひと夏の恋みたいなことはしないよ」

リカはそれもそうかと納得した

「ちゃんと約束守ってよ」

「ああ、帰りもちゃんと送るよ、もっとリカのこと知りたいんだよ」

保は家の鍵を開ける

「どうぞ」

「お邪魔します」

保の部屋

「意外と綺麗にしてる、ラグビーの本がたくさんあるね」

「まあな、好きだしおもしろいよ、リカは運動は?」

「普通かなー、舞衣みたいに何か一つ得意なことがあるって訳でもないし」

「武田さんは何部?」

「バドミントン部、推薦で入ったらしいよ」

「そっか、可愛かったよな本当にハムスターみたいで」

「うん、舞衣は可愛い、私なんて敵わなかった」

「別に武田さんと比べることはないと思うよ、リカとはタイプ違うし、俺は二人いたらリカを選ぶよ」

保が近付いてくる
チュッ、軽くキスをした

「リカ、思い切り目つむったな(笑)」

「だってくるって思ったもん」