「でもね、佐知、ここら辺まできてる」

自分の胸のラインを指す

「舞衣が怒ったら園田が頑張ってるのに大事な時に体壊すよ」

「どういうこと?何で舞衣が怒ると誠斗が体調悪くなるの?」

「食事ができなくなるの」

舞衣が答えた

「えっ、マジ?」

「マジ、一週間で三キロ痩せたんだよ」

ニコッと舞衣は笑った
学校に着くとリカは同じクラスの子を見かけて先に校舎に入っていった

「舞衣、いつの間にあの子と仲良くなってんの?」

「誠斗が一緒に帰れなくなってからかな~帰りが同じ電車だから」

「園田は複雑なんじゃないの?元カノと仲良くなんて……」

「まだ誠斗は知らない、見て」

佐知に誠斗とのメールのやり取りを見せる

「最近、帰ったとおやすみメールだけ」

「本当だ、電話がない」

「でしょ、で、ここにきての朝練よ、誠斗だけじゃなく居残りの人も疲れるって」

二人は教室に入ると誠斗が寄ってきた

「おはよ」

「おはよう、あっ私日直だ、職員室いってくる」

舞衣は教室を出た

「鈴木、舞衣と一緒に来てくれたんだ、一週間よろしく」

「うん、あと元カノのリカって子もいたから3人で来たよ」

「えっ」

「何か急に仲良くなってたよ、びっくりしたお互い名前で呼んじゃって、えーとね舞衣のイライラ度がこのあたりまできてるらしいよ」

佐知は誠斗の胸を指した

「夏休み頑張って会いなよね」

「うん」

舞衣は澤田と二人で教室に入ってきた

「舞衣……」

誠斗は小さな声でつぶやいた、佐知は誠斗の方を見た
黒板前で二人の会話が聞こえる

「えー電車乗り遅れたの?」

「マジ焦ったよ(笑)一本遅れたらやばいな、駅から走ったよ」

「さすがラガーマンだね、私だったら間に合ってないよ」

「もし寝坊して今日の時間になったら連絡くれたら駅からかついで走ってやるよ」

「(笑)多分ないと思うけど、もしもの場合はじゃあかついでもらおうかな」

「まかしとけ、武田軽いから楽勝だよ」

「でもすごい汗だよ、タオルで拭かなきゃ風邪ひくよ」

「そうだな」

そう言って澤田は席についた
誠斗はギュッと自分の手を握った

(……園田、嫉妬してる)

「誠斗~」

友達に呼ばれて誠斗は友達の方へいった

「舞衣、朝、澤田と話してる時、園田がずっと見てたよ」

「そう?友達だもん話してもいいでしょ、澤田くんはいつも助けてくれるし話もおもしろいよ」