朝、舞衣の家に迎えにいく

「おはよう」

「おはよ」

二人は駅に向かって歩き始めた

「舞衣、昨日弓道部員がさ舞衣が男と帰ってたって連絡くれてさ……」

「昨日はちょうど傘をリュックサックから探してたところに澤田くんが通りかかって、私玄関に傘忘れてて結局送ってもらった」

「澤田だったのか」

(あいつ、舞衣の事好きなのかな)

「ん?送ってもらったらいけなかった?」

「あっ、いや、舞衣が濡れて風邪ひくよりは全然いい」

「そっ、ちょっと雷も鳴ったんだよ、澤田くんに雷苦手なのばれちゃった、えへっ」

「大丈夫だった?」

「ちょっと音でビクッとしちゃって、でも近くにこなかったから大丈夫」

「あのさ、明日から朝練も始まるんだ」

「あと一週間で夏休みに入るのに?」

「この間昼休み呼ばれたのがその話だったんだ」

「一週間朝練してすぐ結果なんてついてこないでしょ、夏休み入ったら一日しようと思えばできるのに、なんの為に合宿もあるのよ」

「それは確かに先輩が先生に言ってた」

「先輩の意見は通らなかったってことね」

「先生は部活の時間は他の部員に練習させてあげたいって言ってた、ちゃんと弓が引ける人は短時間で集中してって考えらしい」

「じゃあ、部活の時間は誠斗らは暇なの?」

「暇ではないよ(笑)一年に教えたり、ゴムで引く練習したり、色々やることはある」

「まあ、部活で決まった事だから文句言っても仕方ないね、明日から一本遅らして佐知と行くよ」

「うん、ごめんな舞衣、本当にごめん」

「誠斗のせいじゃないよ」

舞衣の肩を抱いた
人によってやっぱり抱きかたって違うんだな
舞衣は澤田とつい比べてしまっていた

部活終わり

「舞衣、帰ろ~」

「リカ」

「ねえねえ、昨日私が一緒に帰れなかったからって男と帰ることないじゃん、今日も帰るの?私邪魔?」

「はぁ、弓道部は噂の宝庫だよね、何なの」

「まあ弓を引くのは順番だからさ、番がくるまでついおしゃべりしてるのよ」

「全くこっちはいい迷惑よ」

「舞衣が誠斗と付き合ってるからじゃん、チェンジする?(笑)」

「ぷっ、馬鹿なこと言わないでよ、嫌に決まってるでしょ」

舞衣は思わず笑ってしまった

「舞衣って笑うと可愛いね」

「リカも美人よ」

「あら、褒められた」

「別に褒めてはないよ、認めてるだけ」