「来週試合だろ?」

「はい、選考会です」

「一般の選考会も一緒にあるから私も手伝いにいくんだよ」

「そうなんですね」

「お母さん、夕食でも用意して」

「はいはい」

二人は弓道の話を始めた

「着替えてくる」

舞衣はソファを立ってダイニングに立ち寄る

「ねえ、私のこと忘れてるよね」

「そうね、弓道してたんだね、お父さんはそりゃ嬉しいわよ」

「うん、ピザとろうよ」

「そうね」

舞衣は着替えてきてピザの広告を持ってソファにいく

「お父さん、ピザ食べたい」

「いいよ、誠斗くんも選びなさい」

「はい、じゃあ家に連絡します」

誠斗は席を外して廊下で電話した
再び誠斗は座り昨日のことを謝る

「昨日はすみませんでした、留守中に泊まったりして」

誠斗は頭を下げた

「うん、まあびっくりしたけど舞衣がわがままいったんだろう、雷は昔から苦手だから、これからも舞衣のことを守ってやってくれ」

「はい、それはもちろん……中学の最後の総体で帰りに体育館覗いたんです、その時試合してる舞衣さんに一目惚れして、友達を通してやっと会えたんです、大事にします」

「体育館にいたのか、それは気づかなかったな、土曜日の夜に時々練習してるんだよ、よかったら誠斗くんも来ないかい?」

「いいんですか?学生が行っても」

「いいよ、乗せていくからいつでもいってくれ」

「はい」

「ピザ来たよ~」

「舞衣も見に来るといい」

「何?」

「土曜日の夜に練習誘ってくれたんだ」

「あー、そういえば時々出掛けてるね、いいよ、誠斗の袴姿かっこいいし、弓をひいてるとこみたことないね」

「誠斗くんはキレイな立ち姿をしてるよ」

「見たい~」

「舞衣がいて、集中できるかな」

「集中の練習にもなるじゃん(笑)」

「そうだな」

「お父さんビール飲む?」

「飲む、お母さんも座って食べよう」

「食べますよ、誠斗くん飲み物は?」

「舞衣さんと同じで、ありがとうございます」

「いいのよ、いつも通りに呼んで」


次の週末、誠斗は大会に優勝して少年の部の国体出場を決めた
学校には垂れ幕がさがっていた