「大丈夫、大丈夫」

誠斗はいつも大丈夫って言ってくれる、それは自信があるのか、口癖なのか……意外と楽天的な性格なのか……
この際思いきって聞いてみた

「誠斗はいつも大丈夫っていうけどなんで大丈夫だと思うの?自信?」

「……俺、言ってる?」

「うん、聞くほうも多いかな、大丈夫?って」

「自信ではないな、気づかなかった、逆に自信がないからかも……」

「自信がないから大丈夫なの?」

「うん、自分に言い聞かせてるんだと思う、集中するのが遅いんだよね」

「意味わかんない」

「舞衣だってバドミントンの試合で集中するだろ?」

「するね、でもバドミントンの場合打ちながら集中したり、ちょっと間をとったりするから」

「バドミントンは動きが早いからさ、弓道はゆっくりな動きをなるべく同じルーティーンでしないといけなくて結構弓を射るまでの何分かに神経を集中しなくちゃならなくてその短時間に集中を持ってこないといけないんだ、自分の中でよく大丈夫って思ってるかも」

「じゃあ、さっきの大丈夫は集中するため?」

「……緊張してるよ、やっぱり」

誠斗は舞衣と手を繋いだ

「手汗すごいだろ(笑)」

「本当だ、大丈夫だよ、へへっ(笑)」

舞衣の家に着く

「ただいまー」

「お邪魔します」

二人はリビングに入った

「初めまして、舞衣さんとお付き合いさせてもらってます、園田誠斗といいます」

「園田誠斗くん?」

お父さんが誠斗の顔を見た

「はい」

「座って」

二人はソファに座る

「鶴原にいったんだよね、身長が伸びて顔つきも変わったんじゃないかな?」

「えーと……」

「お父さん誠斗の事知ってるの?」

「名前は知ってるよ、有望株だからね、君を最後に見たのは中学の総体の時かな、といってもその日は舞衣の試合だったから観客席で見てて体育館と弓道場をいったり来たりしてたんだよ、大会では本部とかにいたからね、鶴原に行ったのは知ってたんだよ、今年はちょっと出張が多くて高校生の出る大会には行けてないんだ、まさか君とは思わなかった」

「舞衣?」

誠斗は訳がわからずどう答えていいかわからなかった

「あー、誠斗に言ってなかった、うちのお父さん弓道してたんだった」

「はぁ、舞衣それは最初に言うことだよ」

「ごめんね、えへっ」