それもそうだ、出会ってから初めての夏が来ようとしてるんだから

「顔は少し丸くなったよ、でも可愛い、運動してるんだからダイエットは駄目だよ」

舞衣は誠斗と手を繋いで学校に行く

休み時間、誠斗は友達二人と話していた

「いーよな、女子の夏服」

「うんうん」

「舞衣を見るなよ」

「いーよな、可愛い彼女がいるやつは、武田、胸もあるじゃん」

「見るなって、俺だって朝から目のやり場に困ってるし」

「誠斗はあの体に触れるんだもんなー」

「触ってないよ」

「えーまだかよ」

「彼女できたら誠斗に色々聞こうと思ってるのにさ」

「できたら……って予定あるのかよ」

「(笑)ないな」

「俺は話さないよ、想像されたくないし」


夏休み前、放課後部活帰り

「暑くなってきたねー、大会も終わったし、あとはテストか」

「テスト終わったら夏休みだな」

「初めての夏だね、へへっ」

「どれだけ遊べるかなー、なんか弓道部合宿あるって先輩が言ってたな、普段遠的できないからグランド借りるらしい」

「遠的?」

「うん普段射ってるのは近的なんだ」

「そんなのあるんだー」

「そうなんだよ、大会もあるんだよな」

「舞衣も8月始めに大会ある」

二人の横を車が通る

「舞衣、危ないからよけて」

誠斗は舞衣の肩を引き寄せた
舞衣はどきっとする

(誠斗の胸板身長伸びたから大きく感じる)

(舞衣細い、でも胸が触れた、柔らかい、こんなに細いのに胸があるなんてどんな体してんだろ)

誠斗は想像してしまった

「ごめん、ちょっと触れた大丈夫?」

「うん、ありがと」

舞衣はそのまま顔を上げた

(うっ可愛い)
「舞衣、上目遣いはドキドキするから……」

誠斗は照れて横を向いた

「誠斗の身長が伸びたから見上げるようになったんだよ、舞衣もちょっとドキドキした(笑)」

二人はお互い笑いあった
舞衣の家の前に母親がいた

「お母さん、どうしたの?」

「舞衣やっと帰ってきた、電話出ないし」

「電車乗るときにマナーにしてるから気づかなかった、どこ行くの?鞄持って」

「おじいちゃんがぎっくり腰になっちゃったらしくてちょっと行ってくるから、泊まるからね」

「お婆ちゃんは?」

「お友だちと旅行らしいわ、お父さんも出張だからお金置いてるから適当にしてね、園田くんいつもありがとね」

母親は車で出掛けていった