中学三年の冬休み、高校受験を控えた受験生、武田舞衣(たけだまい)
勉強しなければ……と思いながら携帯で遊んでいた
友達の鈴木佐知(すずきさち)からメールがはいってきた

‘舞衣、明日会える?’

‘会えるよー’

‘じゃあ、午後からいくね’

‘はーい’

急だな~、何だろうと思いながら携帯のスケジュールに入力した

次の日の午後、佐知が遊びに来た

「昨日ね小学校のクラス会があったの、でね、みんなで写真とってね、まあ最後グループトークに写真送ったりしてたんだけど……私のアイコン見て舞衣の名前を聞かれてね」

「佐知のアイコンは今は私とのプリクラの写真だよね」

「そう」

佐知とは小学校が違う、佐知の小学校は校区が広く私達の小学校と佐知の小学校の三分の一ほどは同じ北中学校、残りは西中学校に分かれる仕組みだ

「それで、舞衣のことを探してたって……理由聞いたら会わせて欲しいって言われてね」

「へぇ」

「もう解散してからだったからさ、時間なくて……これから電話するから」

「急だな、写真みせてよ」

「いいけど暗かったからあまりはっきりとは……」

佐知は写真をみせる

「この子」

佐知が指を指したのは一人の男子だった

「男じゃん」

「そうなの、名前は園田誠斗(そのだまこと)って言うんだけど」

「知らない」

「小学校の頃は大人しいって印象しかなかったし、顔はまあよかったけどあまり話したことはないんだよね、でも昨日友達と話してたら中学になってモテてたらしくて、昨日も園田がくるならって女子の参加者増えたって西中の友達が言ってた」

「ふーん、背が高いね」

「そこ?顔じゃなくて?」

佐知は電話した

「もしもし、うん、今舞衣の家、うん、うん、わかった、じゃあ後で」

「受験前によくクラス会なんてしたね」

「高校いったらますます会えなくなるから今のうちにって、行くよ」

「どこに?」

「そこのさくら公園で待ち合わせ」

「会うの?恥ずかしいよ男子となんて」

「舞衣は自分から男子に話しかけれないよね」

「うん」

「あたしがいるから大丈夫、ほら行くよ」

二人は近くのさくら公園へ向かう