「康平。ちゃんと話を聞けよ。見えなくても、触れられなくても、感じられなくても、僕は一緒にいるから」
勇也が笑顔で涙ぐんだ。
「しまった。僕としたことが、康平に泣き虫をうつされた」
勇也は両手で目尻に溜まった涙を拭った。
「なんだよそれ。いなくなるのに、こんな時まで冗談言うなよ」
「康平は分からず屋だなぁ。いるって言ってるだろ。もう時間だ」
「時間?」
「康平たちから、僕の姿が見えなくなるんだ」
「ずっと見えればいいだろ!」
「そういうわけにはいかないみたい。今こうして見えてるのはさぁ、特別なんだよ。奇跡なんだ」
「ずっと奇跡を起こせよバカ!」
「まったく、康平は相変わらず口が悪いなぁ。朱美ちゃんを大切にしろよ。僕はいつだって二人の味方だし、応援してるからさ」
康平は勇也の影が薄く壁に映っていることに気づいた。
人形にしては妙な形をしている。
勇也が笑顔で涙ぐんだ。
「しまった。僕としたことが、康平に泣き虫をうつされた」
勇也は両手で目尻に溜まった涙を拭った。
「なんだよそれ。いなくなるのに、こんな時まで冗談言うなよ」
「康平は分からず屋だなぁ。いるって言ってるだろ。もう時間だ」
「時間?」
「康平たちから、僕の姿が見えなくなるんだ」
「ずっと見えればいいだろ!」
「そういうわけにはいかないみたい。今こうして見えてるのはさぁ、特別なんだよ。奇跡なんだ」
「ずっと奇跡を起こせよバカ!」
「まったく、康平は相変わらず口が悪いなぁ。朱美ちゃんを大切にしろよ。僕はいつだって二人の味方だし、応援してるからさ」
康平は勇也の影が薄く壁に映っていることに気づいた。
人形にしては妙な形をしている。