「で、朱美はどうやって勇也と仲良くなったんだよ」
「う~ん、康平くんの時と変わらないような気がする」
「それは勇也も気の毒だったな」
「何か言った?」
 睨みつけてくる朱美に、
「なんでもない」
 康平が愛想笑いをした。
「別にいいけど」
「いいなら突っ込むなよ」
「康平くんが一言多いの! えーとなんだっけ、アタシが勇くんに興味を持ったのは、たまたま公園で写真撮影していた勇くんを見つけたからなの。子供がカメラだよ? しかも、一眼レフ。プロが使うようなゴツゴツで重そうで高そうなの。子供なのにそんなのを真剣に構えて撮影してたら凄い感じしかしないじゃない。普通、大人は子供にオモチャみたいなデジカメだって触らせないでしょ? 触ったら叱るでしょ?」
「はあ」
 曖昧な返事をする康平に、朱美が溜め息をついた。
「どうしてこのトキメキが伝わらないかなぁ。とにかく、アタシはそうだったの。最初、アタシはカメラを触りたかったの。アタシも職人みたいにカメラを構えたくて仕方がなかったの」
「それでストーカーか」
「第一のストーカーね」
「第一ってなんだよ。第一って」
 朱美は人の興味を掻き立てるのが上手い。その上手さに乗せられてしまうのは悔しいが、康平は続きが知りたくて話を待った。