「人間、絶対なんてないんだよ」
「そうだけど……。わかった。なんか勇くんつらそうだし、今日はもう訊かないね」
朱美が少し寂しそうに俯いた。
勇也は首を振った。
「今はもうこんなに元気だから、朱美ちゃんが不審がるのも当然だって」
「俺は?」
割り込んだ康平に、勇也は素っ気ない振りをした。
「普段から心配かけっぱなしの人に心配されても、全然ありがたくないし。むしろ、今まで心配かけてきた分だけ心配しろって感じ? いや違うな。康平が心配してくれるなんて滅多にないから、ここはありがたがるべきかも」
考え込む勇也に、
「もういい。二度とお前の心配だけはしねぇーっ。無駄な心配をしすぎて疲れたわ」
康平が蹲って項垂れた。
「勝ったな」
呟いた勇也に、
「そういう問題?」
朱美がツッコミを入れた。
「僕の生き甲斐はカメラと康平を負かすことだからね」
「後者に激しく同意」
朱美が小さく噴きだした。
「やっぱり~」
勇也の一声を引き金に、勇也と朱美は顔を見合わせて爆笑した。
「お前ら、俺を馬鹿にしたいだけなら出てけよ」
しゃがんだまま、康平は不貞腐れたように二人を見上げた。
「そうそう、忘れてた」
勇也は拗ねる康平を無視して両手を合わせた。
「朱美ちゃん、僕より康平が大変なんだ」
「冷蔵庫が空っぽなこと?」
朱美が首を傾げた。
「冷蔵庫どころか、インスタントもお菓子も切れてるんだ。だから、今日食べたのって残ってた食パン一枚と、僕が買ってきたポテトチップだけなんだよ」
「面倒臭くなるからチクるなよ」
しゃがんだまま文句を垂れた康平を、朱美が一睨みで黙らせた。
「そうだけど……。わかった。なんか勇くんつらそうだし、今日はもう訊かないね」
朱美が少し寂しそうに俯いた。
勇也は首を振った。
「今はもうこんなに元気だから、朱美ちゃんが不審がるのも当然だって」
「俺は?」
割り込んだ康平に、勇也は素っ気ない振りをした。
「普段から心配かけっぱなしの人に心配されても、全然ありがたくないし。むしろ、今まで心配かけてきた分だけ心配しろって感じ? いや違うな。康平が心配してくれるなんて滅多にないから、ここはありがたがるべきかも」
考え込む勇也に、
「もういい。二度とお前の心配だけはしねぇーっ。無駄な心配をしすぎて疲れたわ」
康平が蹲って項垂れた。
「勝ったな」
呟いた勇也に、
「そういう問題?」
朱美がツッコミを入れた。
「僕の生き甲斐はカメラと康平を負かすことだからね」
「後者に激しく同意」
朱美が小さく噴きだした。
「やっぱり~」
勇也の一声を引き金に、勇也と朱美は顔を見合わせて爆笑した。
「お前ら、俺を馬鹿にしたいだけなら出てけよ」
しゃがんだまま、康平は不貞腐れたように二人を見上げた。
「そうそう、忘れてた」
勇也は拗ねる康平を無視して両手を合わせた。
「朱美ちゃん、僕より康平が大変なんだ」
「冷蔵庫が空っぽなこと?」
朱美が首を傾げた。
「冷蔵庫どころか、インスタントもお菓子も切れてるんだ。だから、今日食べたのって残ってた食パン一枚と、僕が買ってきたポテトチップだけなんだよ」
「面倒臭くなるからチクるなよ」
しゃがんだまま文句を垂れた康平を、朱美が一睨みで黙らせた。