先輩と手分けをして探す。お兄さんが卒業した年度は教えてもらった。たくさんの青春を私たちは引っ張り出してた。何で整理されてないんだ、と先輩は言った。
「見つけられたら教えてちょうだい。私も見つけきれなかったから」
「黙れ」
 伊藤、小口、佐竹、広中……まったく知らない人たちが、視界に現れては消えていく。この小さな小屋の中に、入っている人から、たった一人を見つけ出すのには、とんでもない時間が掛かるように思えた。
「早くしないと、みんなが、親子の霊から興味失って、こっちに来るからね。早くしたほうが――」
「もう一度言わなきゃわかんないか? 黙れ」