放課後、遠藤君に「ちょっと話があるんだけど」と声を掛けた。何? と彼は返してきた。
「ゴールデンウィークのあれさ、あるじゃん? あのとき、ちょっと抜けるかもしんないけど、その、うまいことしてよ。ほんのちょっと……十五分くらいかな?」
ふーん、と遠藤君は言った。彼は中学生みたいなリュックを背負っていた。私より背が低かった。遠藤君の言葉を肯定だと受け取った。物質科学部に行くの? と私は尋ねた。顧問って上野先生なんだっけ?
「うん。だからめちゃめちゃ会うことになるんだよね。実験もたくさんさせてもらってるし。今はニトロ化っての実験してて――」
面倒くさい話を少し聞いて、私は走りに行った。
「ゴールデンウィークのあれさ、あるじゃん? あのとき、ちょっと抜けるかもしんないけど、その、うまいことしてよ。ほんのちょっと……十五分くらいかな?」
ふーん、と遠藤君は言った。彼は中学生みたいなリュックを背負っていた。私より背が低かった。遠藤君の言葉を肯定だと受け取った。物質科学部に行くの? と私は尋ねた。顧問って上野先生なんだっけ?
「うん。だからめちゃめちゃ会うことになるんだよね。実験もたくさんさせてもらってるし。今はニトロ化っての実験してて――」
面倒くさい話を少し聞いて、私は走りに行った。